最近はYoutubeなど個人で楽しめる動画配信サービスが増えてきました。そんな中で、自分で作った資料や料理の解説動画やゲーム実行をする人も増えてきています。
これは(1)映像に(2)声を組み合わせて作った動画です。
ここでは(2)の声にフォーカスして、よりよいナレーションにするためのコツを紹介しています。
最高のナレーターになるためのコツ
ゲーム実況など自分がナレーションをして動画を作成する場合は見落としがちな3つのポイントがあります。
自分の声を知る
1つ目は自分の声を知ることです。
意外と自分の声を知らない人が多いものです。中でも、録音した自分の声を聞いて「こんなの自分の声じゃない」と思う人は意外に少なくありません。
まずは自分の声の特徴をありのままでしっかりと把握することが大切です。
その方法はとても簡単で、自分が喋ってるところや歌っているところを録音してただひたすらに聞くこと。そして、その声が自分の声であることを受け入れることです。
TPOによって声の高さを使い分ける
次にやるべきことはTPOによって声の高さを使い分けることを理解することです。
「場所や相手によって声の高さやトーンを変えるなんて、媚びを売っているようで嫌だ」「自分を持っていない」と感じるかもしれませんが決してそんなことはありません。
私たち人間は「人」の「間」で生きるからこそ人間であり、相手やTPOを考慮しない自分都合の場合は人間でなく、ただの人になってしまいます。
だからこそ、周囲の環境や周りの状況つまり、周りにいる人や見ている人を意識して声の高さを使い分けることがとても重要です。
TPOの種類
TPOすなわちシチュエーションは大きく次の3つに分けることができます。
それぞれの場所や雰囲気に合わせて声の高さやトーンを使い分けることが大切です。
みんなが楽しんでいるポジティブで明るい雰囲気の場所でネガティブな声でしゃべっていたら雰囲気ぶち壊しです。
逆に、お葬式などみんなが泣き悲しんでいるネガティブな場で、一人明るく元気に笑顔でポジティブに話していたら周りの人から共感を得ることはできません。(もちろん明るいお葬式もあるので、その場の環境や雰囲気に合わせることが大切です。)
3つの声の高さを持つ
3つのTPOに合わせて声の高さやトーンを使分けるには、自分の声の高さを3つ持っておくことです。
「高い声」「普通の声」「低い声」を意識して使い分けられるようになったら、ナレーターとして一歩抜きんでたといえます。
声の強弱を意識する
更に声のバリエーションを増やすために声の高い低いだけでなく、声に強弱をつけます。
強くするポイント、弱くするポイントなどを適切に織り交ぜると声の種類がぐっと広がり、相手により様々な印象を与えることができます。
話すスピードを変える(3つのスピード)
更にナレーションを変える方法にスピードがあります。
「早く話す」「普通に話す」「ゆっくり話す」という時間調整の他に、声の高さのテンションの調整があります。
時間調整
「早く話す」「普通に話す」「ゆっくり話す」という時間調整の場合、早く話せば話すほど同じ時間でたくさんの情報を伝えることができます。ポジティブな面では頭の回転が速いといった印象を与える一方、せわしない・落ち着きがない・聞き取りにくいといった印象を与えます。
逆にゆっくり話すと優しい印象を与えることができます。しかし、頭の回転が遅い、のんびりしているといったマイナス印象を与えることにもつながります。
自分が話している場所や相手などのTPOを意識して話すスピードを調整することが大切です。
テンション調整
音楽を早送りすると高い音になり、スピードを遅くすると声が低くなるように、話すスピードを変えることでテンションの調整も同時に行うことができます。
つまり、スピードとテンションは正比例しているということが重要です。
話すスピードが速い、つまりテンションを上げると感情的や主観的な印象を与えます。一方、話すスピードが遅い、つまりテンションが低いと落ち着きや客観的な印象を与えます。
声の高さとスピードによるTPO
「高い」「普通」「低い」という3つの声の高さと、「早い」「普通」「ゆっくり」という3つの声のスピードを組み合わせると、最適なTPOが見えてきます。
速さ/高さ | 高い | 普通 | 低い |
---|---|---|---|
早い | ・ポジティブなことを感情的に話す ・勢いのあるYoutube動画 | ・流し聞きしてほしいところ ・内容が長い、多い | ・怖さや驚きなどのネガティブな感情 |
普通 | ・話していることを少し強調する | ・ニュートラル ・印象を与えない | ・注意喚起 ・不気味さを伝える |
ゆっくり | ・美談やポジティブなニュース | ・丁寧な説明 ・事務的な連絡 | ・説得力を持たせる ・ニュース |
台本の書き方
読みやすい台本のポイント
ナレーションをするうえで欠かせないのが台本です。
あまり知られていませんが、台本は縦書きで書くのが基本です。読みやすい原稿にするためには、他にも途中で改行しないといったポイントがあります。
台本の実例
例えば以下のようなニュースの文章があるとします。これを台本にすると以下のようになります。
↓ 台本化
緊張を味方につける方法
人前で話すことと緊張してしまう人は少なくありません。
緊張には特徴があり、その特徴を把握して対処すれば、緊張を味方にして話すことができます。
「緊張してはいけない」は余計に緊張する
1つ目の緊張に関する重要な特徴として、「緊張してはいけない」と思うほど緊張することが挙げられます。
「緊張してはダメだ」「緊張よ収まれ!収まれ!」というのも余計に緊張する原因になります。
緊張したら「よっしゃのってきたぜ!」
緊張とは、体が張り力が入っている状態です。この張っている力(ストレス)を上手く利用すると、話すテンションを上げることができます。
「緊張してきた → エネルギーが出てきている」と考えて「よっしゃのってきたぜ!」と考える癖を付けます。
すると、面白いことに緊張が怖いどころか、「緊張=のってきた」という状態になります。
初っ端から自分のペースに持ち込む
また、緊張に潰されないために重要なのは、できる限り早い段階で自分のペースに持ち込むことです。
冒頭で場をつかむことができれば、後は楽なものです。
逆に、自分のペースに持ち込めず、相手や会場に支配されてしまうといいナレーションをすることはできません。
おもしろい話しは加点要素
聞いている人や場をつかむというと「面白い話をしなければいけない」と考える人がいますがそうではありません。
聞きやすくわかりやすく人を魅了する話の根本は次の2つです。
話している内容が聞き手の興味関心をとらえていること、そして、その情報を適切な時間配分で届けていることです。
この2つが抑えられていれば人は話を聞きたいと思います。
「おもしろい」はこの2つが抑えられたうえで追加する加算要素です。
「中身」「時間」「おもしろい」の3点がそろえば鬼に金棒です。
マイクの種類を間違えない
ナレーションを吹き込むときに話し方の他に、声を拾うための機器、すなわちマイクも非常に重要な役割をします。
どんなにいいナレーションをしてもマイクが不適切であれば決していい声にはなりません。
収録用と音響用
マイクには「収録用」と「音響用」の2種類があります。
それぞれのマイクはどこでどんな音を拾うかによって使い分けられます。
収録用マイク
収録用マイクは狙った音声や音楽を正確に録音することに向いています。
機材としては、ハンドマイク、カメラマイク、ガンマイク、ピンマイクなどがあります。
音響用マイク
音響用マイクはライブ演奏やイベントなど周囲の音も含めて生の音を拾うことに向いています。
基本的にはハンドマイクやピンマイクを使います。
マイクの注意点
ハンドマイクやピンマイクなどのマイクを使うときに一番注意しなければいけないのは「音量」です。
喋っている言葉や音楽などが狙っている音量できちんととれているかが重要です。撮影後に音量が小さすぎて聞こえない、、、となると再度音を取り直さなければいけません。
ハンドマイクを使う際はハンドマイクとスピーカーの口の距離に注意します。あまり離れすぎていると音が拾えず、録音した声が小さくなってしまいます。
また、ピンマイクを使うときは、ピンマイクを持ったり胸を叩いたりしないようにすることが大切です。ピンマイクはちょっとした音も拾ってしまいます。
インタビュー時のマイクの扱い方
インタビューをするときに、1つのマイクを持って自分と相手に交互にマイクを向けて収録をすることがあります。
ですが、これは実は意外と難易度の高い技で、マイクの行き来の間に収録している音量が変わってしまったり、末尾の声が拾えないといったことにつながりかねません。
そういったときは、マイクをスピーカーの口元に固定して、インタビュアーは少し大きな声でしゃべるとした方が無難です。
これらのマイクを使うときのポイントをまとめると以下のようになります。
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