【Filmora フィモーラ】色空間のSDR Rec.709, HDR Rec.2100HLG, Rec.2100PQとは何か?違いとメリット・デメリット

Filmora

Filmora(フィモーラ)でプロジェクトの解像度やフレームレートを設定するときに、色空間も指定することができます。

色空間には「SDR Rec.709」「HDR Rec.2100HLG」「HDR Rec.2100PQ」があります。ここでは、それぞれの色空間が何なのについて解説しています。


▼プロジェクト設定の「色空間」の指定



(参考)Filmora: 【徹底解説】HDRとは?HDRとSDRの違い


色空間とは何か?

そもそもですが、色空間とは色の表現方法や範囲を定義するモデルです。英語で「Color Space」と言います。

色空間は、特定の色を正確に再現し、異なるデバイス間で一貫した色表現を維持するために使用します。デジタル画像、映像、印刷など、様々な分野で色空間は重要な役割を果たしています。


Filmora(フィモーラ)では3つの色空間を選択することができます。

色空間
  • SDR Rec.709
  • HDR Rec.2100HLG
  • HDR Rec.2100PQ


SDR Rec.709

SDR Rec.709の「SDR」はStandard Dynamic Rangeの略で、標準的な色空間であることを指しています。

Rec.709(ITU-R Recommendation BT.709)はHDTV(高精細度テレビジョン)向けに標準化された色空間で、標準的なダイナミックレンジで明るさやコントラストの範囲が限定されています

主にHDテレビ、モニター、インターネットビデオ、Blu-rayなどで使用されます。

色域は比較的狭く、通常のテレビやモニターで表示可能な範囲に適しています。

Point

大型の画面に投影せず、PCやスマホで見る分には「SDR Rec.709」で問題ありません。


HDR Rec.2100 HLG

HDR Rec.2100 HLGの「HDR」とはHigh Dynamic Rangeの略で、色域空間が広いことを示しています。

Rec.2100(ITU-R Recommendation BT.2100)の「HLG」はHybrid Log-Gammaの略で、放送環境に適しています。

HLGは標準のSDRディスプレイともある程度の互換性を持ちつつ、HDRディスプレイでは広いダイナミックレンジを表現することができます

主に放送、ライブイベント、互換性が求められるコンテンツで使用されます。

色域は広く、特に明るさやコントラストの範囲が拡大されているため、より自然でリアルな映像表現が可能です。


HDR Rec.2100 PQ

HDR Rec.2100 PQの「HDR」とはHigh Dynamic Rangeの略で、色域空間が広いことを示しています。

「PQ」はPerceptual Quantizerの略で、HDR映像よりもワンランク上で精密な明るさの表現が可能です。

PQは人間の視覚の感受性に基づいて設計されており、非常に高い輝度まで正確に再現できます。

映画、テレビ、ストリーミングサービスなど、非常に高品質な映像制作に適しています。

色域はHLGと同様に広い色域を持ち、特に高い輝度での色表現が優れています。


まとめ

色空間は、それぞれの用途やデバイスの特性応じて選ぶことが大切です。

  • SDR Rec.709: 標準的なダイナミックレンジと色域。HDテレビやインターネットビデオに適している。
  • HDR Rec.2100 HLG: 広いダイナミックレンジを持つ放送向けHDR規格。SDRとある程度互換性がある。
  • HDR Rec.2100 PQ: 高品質な映像制作に適したHDR規格。人間の視覚に基づく精密な明るさの表現が可能。

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