近年、動画撮影のクオリティ向上に欠かせない存在にジンバルがあります。その中でも、高度な機能と安定性を誇るRS4は、多くのクリエイターから注目を集めています。
しかし、多機能なだけに、初期設定や各軸の調整、そして正確なキャリブレーションは、初心者にとってはハードルが高いと感じられるかもしれません。
「設定が複雑そう」「どこから手をつければいいかわからない」そんな悩みをお持ちのあなたへ。この記事では、RS4のセットアップを、実際の撮影シーンを想定した実例を交えながら、特にチルト軸、ロール軸、パン軸のセットアップを中心にステップバイステップで解説していきます。
セットアップの流れ
- カメラにパーツを取り付ける
- ジンバルを組み立てる
- カメラをジンバルに取り付ける
- チルト軸上下方向の調整
- チルト軸水平方向の調整
- ロール軸の調整
- パン軸の調整
- キャリブレーション
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カメラにパーツを取り付ける
取付時のポイント
最初にジンバルにカメラを取り付けるために必要なパーツを全て取り付けます。
後からパーツを足すとジンバルのバランスが崩れ再調整が必要となるため、最初の段階で全てのパーツを取り付けておきます。
また、ズームレンズの場合、ズームによるレンズの長さの変化でジンバルのバランスが崩れるため、どの焦点距離で撮影したいかあらかじめ決めておくことが大切です。
基本パーツ
ジンバルに取り付けるために必要な基本パーツは次の2つ(3つ)のみです。(※フォーカスモーターを取り付ける場合は上部クイックリリースプレートがロッドアダプター付きのもを使用します)
- 上部クイックリリースプレート
- 下部クイックリリースプレート
- レンズ固定サポート(レンズが長い/重い場合)


フォーカスモーター
DJI RS4 コンボやPROの場合、フォーカスモーター(Focus motor)もキットに含まれています。フォーカスモーターを使うと、ジンバルのフロントダイヤルを回すことでズームレンズをコントロールすることができるようになります。
フォーカスモーターのために必要なパーツは以下の4つです。
- フォーカスギヤ ストリップ(カメラレンズに取り付け)
- フォーカスモーター
- 15mmロッド
- TypeCケーブル

フォーカスギヤストリップの取り付けポイント
フォーカスギヤストリップ(バンド)は空回りしないようにしっかりと固定します。
バンドと固定部がフォーカスモーターと干渉しないように、ある程度離した位置で固定します。
15mmロッドの取り付けポイント
15mmロッドはカメラ後方に出すぎないよう、わずかに出たぐらいのところで固定します。ロッドが前に出ている分には大きな問題になりません。
15mmロッドが前方に出ていることで、フォーカスモーターの固定位置の自由度が上がります。
ジンバルを組み立てる
続いてジンバルを組み立てます。
ジンバルで組み付けるのは次の3つです。
- BG21グリップ
- 延長用グリップ/三脚
- ジンバル水平プレート

グリップレバーをロック解除の位置にしておきます。

BG2グリップを差し込むとカチッという音がして、自動でロックされます。
カメラをジンバルに取り付ける
カメラとジンバルへのパーツ組み付けが完了したら、ジンバルにカメラを組み付けます。
パン軸を180°回転させる
まずはジンバルのパン軸のロックを外して180°回転させ、ロール軸がディスプレイ側を向くようにし、再度パン軸をロックします。

チルト軸とロール軸の位置移動
続いて、チルト軸とロール軸のロックを外して、カメラを設置できる位置に移動し再度ロックします。

カメラをジンバルに取り付ける
マウントプレートにカメラのクイックリリースプレートを差し込みます。
カメラは写真奥から手前に向かって組み付けます。その際、ノブを緩め、安全ロックを押しながら挿入します。


縦向き撮影の場合
縦向きで撮影する場合は、カメラ水平プレートを取り外して、ジンバルに対してカメラ水平プレートを垂直に組み付けます。


フォーカスモーターの接続
フォーカスモーターとジンバル本体をTypeCケーブルでつなぎます。
ケーブルはカメラ前方下側を通すのが正しいルーティングのようです。

軸のバランス調整と事前準備
RS4の軸のバランス調整は以下の4か所に対して行います。調整の順番もとても大切です。
- チルト軸上下方向の調整(垂直チルト)
- チルト軸水平方向の調整(奥行)
- ロール軸の調整
- パン軸の調整
なお、RS4はモーターのトルクが比較的強いため、厳密にバランスが取れた状態にしなくても、ある程度バランスがとれていれば問題ありません。(※バランスが悪いとモータートルクが必要になり、バッテリー消費が大きくなります)
また、バランス調整する前にズームレンズを使用する場合や、可変焦点レンズを使用する場合は以下の点に注意してください。
- ジンバル:電源はOFF(またはスリープモード)
- 光学ズームレンズ: 事前にカメラの電源を入れておく
- 可変焦点レンズ: 焦点距離を合わせておく
チルト軸上下方向の調整(垂直チルト)
まずはチルト軸上下方向の調整(垂直チルト)の調整を行います。
チルト軸のロックを外してカメラを上に向けます。この状態でカメラが安定して静止するようにマウントプレートノブを緩めて、マウントプレートを移動させます。

動かすときはカメラが傾く向きと逆方向に移動させます。カメラが前方に回転する場合はマウントプレートを後方動かします。
バランスが取れていない状態でチルト軸のロックを外すとカメラがぐるりと回転するため、すぐにホールドできる位置に手を構えておくと無難です。
チルト軸水平方向の調整(奥行)
次に、チルト軸水平方向(奥行)の調整をします。
カメラを水平方向に向けて、マウントプレートのロックを解除し、ダイヤルを回して前後位置を調整します。

動かすときはカメラが傾く向きと逆方向に移動させます。カメラが前方に回転する場合はマウントプレート後方に動かします。
わずかな位置の移動でバランスが大きく変わります。ある程度水平が保てたら、ほんの少し前後に動かすことで微調整します。
ロール軸の調整
次にロール軸のバランス調整をします。
ロール軸のロックを解除し、ロール軸アームレバーを緩め、カメラが傾く方と逆に移動します。

カメラが水平になったらバランスがとれています。
パン軸の調整
最後にパン軸のバランス調整をします。
パン軸のロックを外します。(*パン軸のみ軸のロックとアームのロックが兼用となっています)

グリップを持ってジンバルを前方に傾け、パン軸が自分と並行になるまで回転させます。
ジンバルを傾けてもカメラレンズ(カメラ)が傾かないように、アームを位置を調整します。
チルト軸とロール軸をロックしてから、傾けるとカメラの動きがわかりやすくなり、パン軸のバランス調整が容易になります。
縦撮影時のバランス調整
縦撮影するときも各軸のバランス調整方法は同じです。
ただし、横撮影でバランス調整ができている状態で、縦向きにつけなおす場合は、次の2か所のみバランス調整すればOKです。
- チルト軸上下方向の調整
- ロール軸の調整
- チルト軸水平方向の調整(横 ⇔ 縦の場合は不要)
- パン軸の調整(横 ⇔ 縦の場合は不要)
キャリブレーション
各軸のバランス調整が完了したら、ジンバルの電源ボタンを長押ししてジンバルをONにします。

Mボタンとトリガーを同時に3秒以上押すとキャリブレーションが開始します。

もしくは、「オートチューン」をクリックし「キャリブレーション開始」をクリックします。


キャリブレーションを行うと、チルト軸、ロール軸、パン軸の3つのモーターの剛性を調整します。
以上でDJI RS4のセットアップは完了です。
まとめ
ジンバルのセットアップにおける軸の調整はとても難しいように感じますが、慣れてしまうと実は簡単です。
撮影現場でカメラやレンズを入れ替えることも大した問題ではなくなります。(実際、動画撮影したあとにすぐに写真を数枚撮影して、また動画撮影に戻るということも頻繁にあります)
家で練習しておくと外出時の撮影がとてもスムーズになります。
手で撮影した映像とジンバルで撮影した映像は雲泥の差なので、DJIのジンバルは本当にオススメです。
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