私たちは日常で何気なく会話をしていますが、同じ単語でもどこを強調するかでその単語の持つ意味が変わったり、相手に与える印象が変わります。
つまり、喋っている言葉以外にもアクセントが非常に重要な役割をしているといえます。
ここでは、日本語の主なアクセントと各アクセントが与える印象についてまとめています。
4種類のアクセント
日本語のイントネーションには大きく4種類あります。
平板型(へいばんがた)
平板型は強調などの抑揚がほとんどなく、一定の音程で発音するアクセントです。
日本語における「平板型」のアクセントの例としては、以下のような単語が挙げられます。
- 映画(えいが):「えい」の部分に強勢があり、他の音節は比較的均等に発音されます。
- 学校(がっこう):「がっ」の部分に強勢があります。
- 漢字(かんじ):「かん」の部分に強勢があります。
- 東京(とうきょう):「とう」の部分に強勢があります。
これらの単語は、一定の音程で発音され、強勢が特定の音節に置かれることで、平板型のアクセントを示します。
頭高型(ずがたがお)
「頭高型のアクセント」は、最初の音節が他の音節よりも高く、強く発音されるパターンを指します。
例えば、「鉛筆(えんぴつ)」や「電話(でんわ)」のような単語では、最初の音節が他の音節よりも高く、強調されます。この場合、”えん”や”でん”が頭高型のアクセントを持っています。
このような頭高型のアクセントは、日本語の中で非常に一般的であり、多くの単語やフレーズで見られます。
ちなみに、頭高型は「ずがたがお」と読みます。わかりにくいですね。
尾高型(びだかがた)
尾高型(びだかがた)は最後の音節が他の音節よりも高く、強く発音されるパターンを指します。
つまり、単語やフレーズの終わりに高い音程や強いアクセントが置かれることを表します。
例えば、日本語の「本(ほん)」や「食べる(たべる)」のような単語では、最後の音節が他の音節よりも高く、強調されます。この場合、「ん」や「る」が尾高型のアクセントを持っています。
尾高型のアクセントは、日本語の中で一般的なパターンの一つであり、多くの単語やフレーズで見られます。
中高型(なかだかがた)
「中高型」は中間の音節が最も高く、強く発音されるパターンを指します。
つまり、単語やフレーズの中間に高い音程や強いアクセントが置かれることを表します。
例えば、日本語の「田中(たなか)」や「自動車(じどうしゃ)」のような単語では、中間の音節が他の音節よりも高く、強調されます。この場合、「な」や「どう」が中高型のアクセントを持っています。
中高型のアクセントも、日本語の中で一般的なパターンの一つであり、多くの単語やフレーズで見られます。
アクセントとイントネーションの違い
アクセントと似た言葉にイントネーションがあります。
なんとなく似ているようですが、それぞれ明確な違いがあります。簡単にまとめるとアクセントは言葉やフレーズ内の特定の音節の強調で、イントネーションは文全体の音声パターンの上昇や下降です。
アクセント
アクセントは、言葉やフレーズの中で特定の音節を強調することです。
つまり、特定の音節が他の音節よりも強く、また長く発音されます。
例えば、「バナナ」は、最初の音節「バ」に強勢が置かれます。
イントネーション
アクセントが特定の単語に対して付けられるのに対し、イントネーションは、文や文の一部の発音パターン全体を指しています。
音声を上昇や下降させることで、感情を伝えることができます。
つまり、イントネーションは音声の抑揚やパターンを通じて、話し手が伝えたい情報や感情を強調したり、意味を変えたりする役割を果たします。
例えば、英語の「ごはん食べた」という文で、末尾を下げれば「事実」になります。逆に「ごはん食べた?」のように末尾を上げれば「質問」になります。
語尾のイントネーションが与える印象
言葉の語尾、すなわち終わりを上げるか、それとも下げるか?というだけで相手に与える印象や文脈を変えることができます。
語尾を上げる
語尾を上げると「質問」や「呼びかけ」になります。
例:「たべる?」「パパー!」
語尾を下げる
語尾を下げると「肯定」や「事実」「告知」になります。
例:「たべた」「それはダメ」「いいよ」
プロミネンスとは何か?
アクセントに関連する言葉に「プロミネンス」があります。
プロミネンスとは、文中にある言葉や文節を強調することです。
あえて大きな声で喋ったり、ゆっくり喋ることで強調します。
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