【Affinity】彩度とは何か?自然な彩度や色温度との違い|色褪せた写真を鮮やかにする方法(Affinity photo 2, designer 2)

Affinity

かつて撮影した写真、色褪せて鮮やかさが失われていませんか?そんな写真も、Affinity Photo 2またはDesigner 2の「自然な彩度」調整機能を使えば、驚くほど鮮やかに蘇らせることができます。

このブログ記事では、「自然な彩度」機能の仕組みと、効果的な使い方をわかりやすく解説します。褪色した写真でお困りの方、ぜひ参考にしてみてください。

また、画像や動画の編集ツールには「彩度」と「自然な彩度」という2種類の彩度があります。ここでは、彩度と自然な彩度の違いについても解説しています。


彩度とは何か?

彩度は、「色の鮮やかさ」を表す指標です。英語ではsaturationといいます。

彩度が高い色ほど、鮮やかで刺激的な印象を与え、彩度が低い色ほど、落ち着いた地味な印象を与えます。

彩度は、よく耳にする「HSL」の1つでもあります。HSLとは、色相(Hue)、彩度(Saturation)、輝度(Lightness)の頭文字で、この3つの要素からなる色空間のことです。


HSLとは何か?

「彩度」: 色の鮮やかさ、地味さ(Satiration)
「色相」:色の赤み、黄み、青みなどの違い(Hue)
「輝度」:色の明るさ、暗さ(Lightness)




無彩色と純色

具体的には、無彩色(白、黒、グレー)から純色(赤、黄、青など)までの距離で表します。無彩色は彩度が0で、純色は彩度が最大となります。

彩度(S)が0「無彩色」のとき、カラーパレットは白、黒、グレーの配色になっています。




彩度(S)を上げるとカラーパレットがカラフルになります。



彩度による印象操作

色彩心理学という言葉があるように、人は色によって受けとる印象が変わります。

例えば「赤」という1つの色をとっても、色味が強ければ「情熱的」「危険」とい力強い印象になります。色が薄くなりピンクに近くなると、「可憐」「優しい」という印象に変わります。

この色の鮮やか朝を調整するのが彩度です。

同じ赤でも彩度が高ければ真っ赤な赤となり、彩度が低ければ薄いピンクのようになります。

人間は、彩度の高い色をより目立つと感じる傾向があります。そのため、広告やデザインなどでは、彩度の高い色をアクセントとして使うことがあります。

彩度の低い色は、リラックス効果があると言われています。そのため、寝室などのインテリアには、彩度の低い色を使うのがおすすめです。

なお、Affinityなどのデザインツールでは、彩度を上げると画像全体が鮮やかになり、下げると色が薄くなります


彩度調整の注意点

彩度を調整する際は、全体のバランスを見ながら、自然な印象になるように調整することが重要です

彩度を上げすぎると、画像が不自然になったり、色が飽和したりするので注意が必要です。

彩度を上げるととても鮮やかになるので、ついつい彩度を上げてしまいがちですが、彩度を上げすぎると「明らかにいじってある、、、」という自然界では存在しない不自然な画像になってしまいます。


彩度と自然な彩度の違い

画像や動画編集ソフトの中には色の調整項目に「彩度」と「自然な彩度」の2つがある場合があります。


彩度:画像全体に均一に適用

彩度は、画像全体の色鮮やかさを調整する機能です。

数値を上げると、画像全体の色がより鮮やかに、下げると色が薄くなります。しかし、彩度を上げすぎると、画像が不自然になったり、色が飽和したりしてしまいます。


自然な彩度:低い部分に重点的に適用

自然な彩度は、画像全体の彩度を上げながら、特に彩度の低い部分を重点的に鮮やかにする機能です

このため、画像全体が自然な感じで鮮やかになり、彩度を上げすぎた時のような不自然さや色の飽和を防ぐことができます


自然な彩度の特徴
  • 彩度の低い部分を重点的に鮮やかに
    元々彩度の高い部分はあまり変化せず、彩度の低い部分のみ鮮やかになるため、自然な印象にできる。
  • 肌色などの自然な色合いを維持
    肌色や空色などの自然な色合いは、彩度を上げてもあまり変化しないように調整します。


どっちを使うべき?

彩度と自然な彩度はどちらも使います。

画像全体の鮮やかさが少ない時はまず「彩度」を上げて、画像全体を自然な範囲で鮮やかにします。

次に、「自然な彩度」を使って彩度が低い部分がより鮮やかになるようにします。

彩度を上げると、全体的にギラギラした印象になり、人物の肌色が不自然に赤くなったりします。


彩度と色温度(K)の違い

色温度(ケルビン)とは何か? 2000~6500K

彩度とにている概念に「色温度」があります。ですが、彩度と色温度は異なる概念です。

色温度は光の色合いを表す指標で、ケルビン(K)という単位で表されます。

具体的には、黒体と呼ばれる理想的な熱放射体を加熱したときの光の色と対応します。

低い色温度(2,000K~3,000K程度)は、赤みがかった温かい光で、夕焼けや白熱電球の光などに例えられます。

高い色温度(5,000K~6,500K程度)は、青みがかった冷たい光で、青空や昼間の太陽光などに例えられます。


彩度は0~100%

一方、彩度は、色の 鮮やかさを表す指標で、0%~100%の範囲で表されます。

彩度0%は無彩色(白、黒、グレー)で、彩度100%は最も鮮やかな純色(赤、黄、青など)となります。

彩度が高いほど、鮮やかで刺激的な印象を与え、彩度が低いほど、落ち着いた地味な印象を与えます。
例え


彩度と色温度の関係

同じ色相(Hue)でも、色温度によって彩度の見え方が変化します。

例えば、赤色でも、低い色温度の赤は暗く重厚な印象を与え、高い色温度の赤は鮮やかで刺激的な印象を与えます。

また、同じ色温度であっても、彩度によって色の印象が変化します。

例えば、5,000Kの光でも、彩度が高ければ 白っぽく鮮やかな印象を与え、彩度が低ければ青みがかった柔らかい印象を与えます。

彩度と色温度の違いまとめ
  • 色温度: 光の色合いを表す指標(ケルビン(K)で表す)
  • 彩度: 色の鮮やかさを表す指標(0%~100%で表す)
  • 色温度と彩度: 互いに影響し合うが、独立した指標
  • 同じ色相でも、色温度によって彩度の見え方が変化
  • 同じ色温度でも、彩度によって色の印象が変化



彩度の調整(ctrl + u)

例えば、以下のように色褪せた女の子の写真があります。


まずは全体の「彩度」を調整します。

画像を選択した状態で、「ctrl + u」をクリックします。または、上部メニューの「レイヤー > 新規調整レイヤー > HSL」を選択します。


すると、HSLの調整パネルが開きます。


彩度のシフトを不自然にならない鮮やかさまで上げます。


これだけで写真が鮮明で色鮮やかになります。




自然な彩度の調整

「自然な彩度」の調整でより自然な見た目で鮮やかに仕上げます。

画像を選択した状態で、上部メニューの「レイヤー > 新規調整レイヤー > 自然な彩度」を選択します。


「自然な彩度」のダイアログが表示されます。(※ここでも「彩度」を調整することができます)

このとき、レイヤーには、前の項で追加した「HSLシフト調整」と「自然な彩度の調整」が表示されています。


画像を見ながら「自然な彩度」の数値を大きくします。

もし100%にしても問題なさそうであれば、「彩度」も更に大きくします。



調整が終わったら画像とレイヤーを選択した状態で「ctrl + alt + shift + s」をクリックして書き出します。



「彩度」と「自然な彩度」の調整で色褪せていた写真がかなりきれいになりました。


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