ドローン操縦では法的にいろいろと決められていることがあります。その中でも、国土交通省の認証システムDIPS2に登録したり、飛行記録や日常点検記録をつける際にベースとなる様々な機体情報に次のようなものがあります。
専門的な用語がおおく、パッと見ではそれぞれが何を指しているのかよくわからないと思います。
ここでは、それぞれの専門用語が何を指しているのかを実例を用いてまとめています。
3つの区分
ドローンの型式や機体に関する情報は大きく次の3つの区分に分けることができます。
それぞれの情報を上記の3つの区分で分けると次のようになります。
型式情報(型式認証)
型式情報(型式認証)は各ドローンごとにメーカーが国に対して申請する認証内容です。
例えば、DJI Air3の場合は次のようになります。
項目 | 内容 |
---|---|
製造者名 | DJI |
種類 | 回転翼航空機(マルチローター) |
型式 | DJI Air3 |
型式認証書番号 | 1234G5N6Q78B912345LB |
型式認証とは何か?
ドローンの型式認証とは、特定のドローンの設計図や製造方法が、国の定めた安全基準に適合しているかどうかを審査し、認証する制度です。
いわば、その種類のドローンが安全に飛行できるかどうかを、国が保証するようなものです。
型式認証の目的
型式認証の目的は次の3つになります。
- 安全性の確保: ドローンが空で安全に飛行できることを確認し、事故を防止します。
- 品質の均一化: 同じ種類のドローンが、どこで製造されても一定の品質を保つことを保証します。
- 法規制への対応: ドローン飛行に関する法律を遵守していることを証明します。
型式認証の手続き
型式認証はドローンメーカーが行うものです。
新しい種類のドローンを販売する前に、国土交通省に型式認証の申請を行う必要います。申請されたドローンは、厳格な審査を受け、安全基準を満たしていると認められれば、型式認証が交付されます。
認証情報(機体認証)
認証情報(機体認証)はドローンの所有者が国に対して申請する認証内容です。
項目 | 内容 |
---|---|
機体認証区分 | 第二種認証(有効期限3年) |
無人航空機の登録記号 | DR |
機体認証書番号 | DR2400500123 |
有効期間 | 2024/7/30~2027/7/29 |
機体認証区分
ドローンの機体認証は、そのドローンがどのような飛行を行うかによって、大きく次の2つの区分に分けられます。
1. 第一種機体認証
第一種機体認証は、人の密集地の上空を飛行したり、夜間飛行を行ったりするなど、より高度な飛行を想定しています。
認証は厳格な審査で、有効期限は1年間です。
2. 第二種機体認証
第二種機体認証は、第一種に比べて、比較的単純な飛行を想定しています。
有効期限は3年間です。
どちらの認証が必要か?
必要な機体認証の区分は、ドローンを使用する目的や飛行場所によって異なります。例えば、人口密集地の上空を飛行させたい場合は、第一種機体認証が必要となります。
無人航空機の登録記号と機体認証書番号
無人航空機の登録記号はDIPSで機体認証をしたときに国から発行される2桁のアルファベットです。機体認証書番号という12桁の番号の冒頭の2文字になります。
書類ベースで申請した場合は「JU」が、電子申請した場合は「DR」が付与されるようです。
機体認証書番号は100gを超えるドローンを飛行させる際に、機体に表示することが義務付けられています。
表示場所、表示方法、文字サイズなどにも規定があります。
- 表示場所
ドローンの胴体で、外から簡単に確認できる場所に表示する必要があります。ただし、部品の飛散で登録記号が確認できなくなる恐れを抑えるため、工具なしで簡単に取り外せる場所への記載は禁止されています。 - 表示方法
マジック、シール、プレートなど、耐久性のある方法で鮮明に表示する必要があります。 - 文字サイズ
25kg以上の機体は25mm以上、25kg未満の機体は3mm以上の文字の高さで表示する必要があります。
所有者情報
所有者の情報には、ドローンを購入した所有者、そのドローンを使う操縦者、そして、操縦者が持つ技能証明があります。
項目 | 内容 |
---|---|
所有者 | 田中太郎 |
使用者 | 田中太郎 |
技能証明 | 二等無人航空機操縦士 |
技能証明書番号 | 211012345678 |
技能証明
ドローンの技能証明には、一等と二等の2つの種類があります。それぞれの資格によって、操縦できるドローンの種類や飛行できる範囲が異なります。
一等無人航空機操縦士
一等資格は、ドローン操縦の最高レベルの資格です。レベル4飛行と呼ばれる、高度な飛行技術を要する飛行も許可されます。
レベル4飛行には、人が密集している場所の上空を飛行したり、夜間飛行を行ったり、自動飛行システムを利用したりすることが含まれます。
一等資格を取得するには、二等資格を保有していることが条件となります。また、より高度な知識と技術が求められる試験に合格する必要があります。
二等無人航空機操縦士
二等資格は、ドローン操縦の基礎的な資格です。レベル3飛行と呼ばれる、比較的シンプルな飛行が許可されます。
レベル3飛行は、人がいない場所での目視内飛行が中心です。
二等資格を取得するためには、一定の知識と技術を習得し、試験に合格する必要があります。
一等と二等のまとめ表
区分 | 一等無人航空機操縦士 | 二等無人航空機操縦士 |
---|---|---|
飛行できる範囲 | レベル4飛行を含むすべての飛行 | レベル3までの飛行 |
難易度 | 高い | 比較的低い |
取得条件 | 二等資格を保有していることが条件 | 特になし |
試験内容 | より高度な知識と技術が求められる | 一定以上の知識と技術が求められる |
費用 | 比較的高額 | 比較的安価 |
技能証明書番号
技能証明書番号は、一等無人航空機操縦士や二等無人航空機操縦士の国家資格を取得したときに免許に記載してある固有の番号のことです。
通常「211012345678」のように、12桁の数値で記載してあります。
コメント