ドローンを購入したら「即外で飛ばす!」というわけにはいきません。特に100g以上のドローンは航空法の規定でフライト前にやるべきことが色々と定められています。
知らず知らずのうちに法律違反していた…ということがないように、ドローンを外で飛ばすまでに一通りの準備をすることが大切です。
ここでは、ドローンを外で飛ばすまでにするべき準備について手順を追ってまとめています。
フライトまでの手順
ドローンを外で飛ばすまでの手順を簡単にまとめると以下のようになります。
「機体の登録」と「特定飛行の許可・承認申請」については、下記記事をご参考ください。
【Photoone】包括申請と個別申請の違い|ドローンの機体登録から許可承認申請の流れをわかりやすく解説
ここでは、「飛行計画」や「飛行日誌」についてまとめています。
飛行計画とは何か?(概要)
「飛行計画」とは、航空法で定められており、ドローンなどの無人航空機を飛ばす際に、事前にフライトの日時、経路などの事項を記載した飛行計画を国土交通大臣に通報する制度のことです。
「通報」という言葉が気になる所ですが、国土交通省の文章でそう定められています。飛行計画なしで特定飛行をした場合、法律違反となり罰金が科せられます。
なお、ドローンを飛ばすときに常に飛行計画の提出が必要になるわけではありません。航空法で定められている「特定飛行」を行う場合のみ飛行計画の提出が必要になります。
特定飛行とは何か?
「特定飛行」とは、国土交通大臣の許可や承認が必要となる空域(飛行禁止空域)及び「方法(承認申請が必要な飛ばし方)」での飛行のことです。
なお、この航空法の規制対象となるのは100g以上のドローンです。(※100g未満のドローンは別の法律「小型無人機等飛行禁止法」に該当します)
飛行禁止空域
航空法で定められている「飛行する空域」の対象となる区域を「飛行禁止区域」と呼び、次の4つのエリアが該当します。
これらのエリアは、航空機(飛行機など他の機体)の
承認申請が必要な飛ばし方
航空法で定められている規制は、「飛ばす区域(飛行禁止空域)」以外に、「飛行の方法」があります。
ドローンを飛ばしていい「飛行可能区域」、あるいは、飛行禁止区域で「許可申請」をした場合でも次のような状況で飛ばす場合は「承認申請」が必要になります。
山や海を越えていく空撮動画の撮影や、家屋や屋根の点検、PV撮影などで人の周りを撮影するものなど、仕事で撮影するものの多くが「承認申請」に該当します。
図で表すと以下のようになります。
前提条件(原則禁止の飛ばし方)
そもそも上記のような場所は原則飛行禁止です。仕事などどうしても撮影が必要な場合に国土交通省に申請をして、承認が下りればドローンを飛ばすことができるようになります。
飛行計画を通報する前に
下見と事前許可の重要性
飛行計画を提出する前に、飛行を計画している場所を実際に訪れて下見をしておくことをお勧めします。
飛行計画の提出はあくまで「航空法」に対するものです。このため、提出して飛行計画の中に、他の人の所有地上空が入っていれば、その所有者の承認が別途必要になります。
他にも、航空法以外の法律や、各市区町村の条例など、フライト前に必要な許可を得る必要があります。
飛行計画を提出して国土交通省から許可・承認は下りたものの、市区町村や所有者からの許可が下りないとなれば、ドローンを飛ばすことができなくなってしまします。
警察への連絡
また飛ばす前に所轄の警察に連絡しておくと何かあったときに非常にスムーズになります。
ドローンを飛ばす際に警察に対して、提出が義務付けられた書類があるわけではありません。「こんな飛行を予定しています」と電話で伝えたり、必要に応じて用紙1枚ほどの簡易的な飛行計画を提出するぐらいのことです。
あらかじめ警察に連絡しておけば、フライトを始めた後に警察が来て「何してるんだ?」と揉めることもありません。
備えあれば憂いなしです。
飛行計画に記載する内容
飛行計画に必要な情報
飛行計画を作成する際は以下の情報が必要になります。
飛行する日時や場所などが必要ですが、それ以外にも「立入管理措置の有無」や「保険契約の有無」も記載する必要があります。
それぞれに細かい記載方法が定められてます。例えば目的地の記入方法は以下のようになります。
立入管理措置の有無とは?
立入管理措置等は看板や補助者などの「立入管理措置の有無」や「配置する補助者の人数」 「係留飛行の有無」などを記載します。
飛行計画を作成する場合には、看板の設置場所や補助者の配置箇所も考えておく必要があります。
飛行日誌とは何か?
「飛行計画」とは別に「飛行日誌」というものがあります。飛行日誌とは、無人航空機を特定飛行させる者が、飛行・整備・改造などの情報を遅滞なく飛行日誌に記載しなければならない制度です。
飛行日誌は、いつどこを飛んだかという「①飛行記録」や点検内容を記録する「②日常点検記録」「③点検整備記録」の3種類があります。
飛行日誌は飛行計画とは違い提出(通知)する必要はありません。ですが、特定飛行を行う場合は常に持ち歩く必要があります。持ち歩いていない場合法律違反となり罰金が科せられます。
法律で規制されているわけではありませんが、特定飛行を行う場合以外でも、飛行日誌を携帯することが推奨されています。
飛行日誌の書式
飛行日誌で記載しなければいけない内容はあらかじめ定められているため、書式も決まっています。
飛行記録の書式
飛行記録の書式は次のようになっています。
いつ、どこで、だれが、どのようにどの無人航空機を飛ばしたか?といったことや、不具合があった場合はその内容を記載します。
日常点検記録の書式
日常点検記録はドローンの持ち主などが行う飛行前のチェックです。1回の点検毎に記載します。内容は以下のようになっています。
点検整備記録の書式
点検整備記録は、点検整備を委託した業者や無人航空機の設計製造者などに点検を行ってもらった場合に記録するものです。
自動車ディーラーなどで行う点検のようなものです。
電子データでもいいの?
飛行日誌は紙媒体で所持していてもいいですが、電子データでも問題ありません。
エクセルやスプレッドシートなど自分で作成・管理するのでも問題ありません。
FwriteDown(フライトダウン)など無料で使用オンラインサービスもあります。今のところ、10機までは無料で使うことができます。
飛行日誌 参考資料
- 国土交通省 飛行計画の通報・飛行日誌の作成
- 国土交通省 無人航空機の飛行日誌の取扱要領
- 国土交通省 無人航空機の飛行日誌の取扱いに関するガイドライン
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