ドローンと人がぶつかってケガをした場合や、ドローンと家などの物件がぶつかって破損した場合など、事故が起こった場合は必要に応じて国に報告する必要があります。
ここでは、どういったときに報告の義務が生じるのかについてまとめています。
報告義務と目的
航空法と航空法施行規則では、事故と重大インシデントが発生した場合に、速やかに国土交通大臣に報告することが定められています。
報告の目的はペナルティーを課すことではなく、航空機の安全な運航と再発防止を図ることとなっています。
無人航空機の事故及び重大インシデントの報告目的
航空法(昭和 27 年法律第 231 号。以下「法」という。)第 132条の 90 及び航空法施行規則(昭和 27 年運輸省令第 56 号。以下「規則」という。)
第 236 条の 85 各号の規定並びに法第 132 条の 91、規則第 236 条の 86 及び第 236 条の 87 各号の規定により、無人航空機を飛行させる者(以下「操縦者」という。)が国土交通大臣に報告する無人航空機に関する事故及び重大インシデント報告に関して、具体的な報告の対象、事項及び方法を定めることにより、適切かつ確実な報告が速やかになされることを目的とする。
また、この報告は、無人航空機の飛行によって航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を阻害する事態が発生した場合に、当該事故及び重大インシデントの原因を究明し、再発防止を図ることが目的であり、当事者に対しペナルティを科すことを目的としたものではないことから、当事者は安全の向上への貢献であるという視点を持つことが重要である。
https://www.mlit.go.jp/koku/content/001520661.pdf
事故と重大インシデント
報告対象に関しては、「事故」と「重大インシデント」という2つの用語が使われています。
ここでの「事故」とは死亡や航空機との接触など非常に重大なものです。「重大インシデント」は怪我や制御不能などが該当します。
事故の内容
- 無人航空機による人の死傷又は物件の損壊
「人の死傷」については重傷以上のものを対象とし、悪天候等の外的要因によるもの(無人航空機を飛行させる者に過失がないもの)も含む。
「人」については、第三者に限らず、操縦者及びその関係者を含む。なお、軽傷と判断されるようなケースについては重大インシデントに該当するものとして報告の対象とする。
- 「物件の損壊」
第三者の所有物(人工物)を損傷させた場合の全てを報告の対象とする。例えば、衝突による瓦のひび割れや構造物の壁を傷つけた等軽微なものを含むものとする。
- 航空機との衝突又は接触
航空機若しくは無人航空機のいずれか又は双方の機体に衝突若しくは、接触による損傷が発生したと確認できるものを報告の対象とする。なお、衝
突又は接触のおそれがあっただけのものは除き、これらは重大インシデントに該当するものとして報告の対象とする。
重大インシデントの内容
- 飛行中航空機との衝突又は接触のおそれがあったと認めたとき
無人航空機の飛行経路上及びその周辺の空域において飛行中の航空機を確認した場合で、衝突を予防するため無人航空機を地上に降下させるなどの衝突回避措置を講じたものを報告の対象とする。
- 無人航空機による人の負傷
(法第 132 条の 90 第1項第1号に掲げる人の死傷を除く。)
無人航空機により人が負傷した場合で、法第 132 条の 90 第1項第1号に掲げる人の死傷、つまり重傷以上を除いたものを報告の対象とする。「人」については、第三者に限らず、操縦者及びその関係者を含む。
なお、無人航空機の飛行によらないが、飛行のための地上待機、地上移動、離着陸のための地上滑走中に発生した事案(例えば、回転中のプロペラによる負傷、飛行させようとしている無人航空機の発火による負傷等)についても対象とする。
- 無人航空機の制御が不能となった事態
飛行中に無人航空機が機体不具合により制御不能となった事態を報告の対象とし、これにより無人航空機を紛失した場合も含む。
ただし、操縦ミスに起因する操縦不能によるものは報告の対象外とする。
・機体不具合の例
– 無人航空機と操縦装置間の通信障害(無人航空機が通信可能な範囲から逸脱したものを除く。)
– 想定しないバッテリー切れ、機体構造や装備品等の機能不良など。
・操縦ミスの例
– 無人航空機が操縦装置と通信可能な範囲から逸脱したもの
– バッテリー残量の確認不足によるバッテリー切れ
– 急旋回等の操作による失速
– 気象状況の確認不足により風にあおられたなど
- 無人航空機が発火した事態(飛行中に発生したものに限る。)
飛行のために無人航空機の推進装置が稼働状態にある場合において発生したものを報告の対象とする。
これらに該当しない状態での発火(例えば、保管中の無人航空機のバッテリーの発火等)については、飛行に関連しない発火として、報告の対象とはしない。
報告先
「事故」と「重大インシデント」が発生した場合は、ドローン情報基盤システム(DIPS)を使ってオンライン上で報告するのが原則となります。
>DIPS ドローン情報基盤システム2.0
やむを得ない場合は管轄の航空局へ連絡します。
管轄 | 住所・連絡先 | 管轄区域 | 執務時間 |
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東京航空局 | 〒102-0074 東京都千代田区九段南1-1-15 九段第二合同庁舎 東京航空局 保安部 運航課 ☎:03-6685-8005 e-mail:cab-emujin-houkoku@mlit.go.jp | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、 福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、 東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県、静岡県 | 平日09:00~17:00 |
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国土交通省 | 〒100−8918 東京都千代田区霞が関2-1-3 航空局 安全部 無人航空機安全課 ☎:03-5253-8111 (内線: 48715) e-mail:hqt-jcab-uav@gxb.mlit.go.jp | 公海上 | 平日09:00~17:00 |
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(参考)国土交通省 無人航空機による事故等の報告先一覧
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