CPLフィルターとは何か?常につけておいてもいいか?(使い方,メリット,デメリット,効果,用途)|偏光とは何か?

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「CPLフィルター」って聞いたことありますか?風景写真でよく使われるこのフィルター、実はとても奥が深いです。

この記事では、CPLフィルターとは何かや、どんな効果があるのか、そして常につけておいてもいいのかなどについて解説しています。

「青空をもっと鮮やかに」「水面の反射を抑えたい」そんな悩みをお持ちのあなたへ。CPLフィルターを使うと、写真がガラリと変わります。

偏光とは何か?といった基礎知識から、CPLフィルターの使い方、メリット・デメリットまで、初心者の方にもわかりやすくご紹介します。

写真撮影のレベルアップを目指している方は必見です!

この記事でわかること
  • CPLフィルターとはどんな効果があるのか?
  • どんな時に使うべきか?
  • 常時つけておいていいのか?
  • CPLフィルターのメリデメ
  • 選ぶ際のポイント


ぜひ最後まで読んで、CPLフィルターをマスターしましょう!


CPLフィルターとは何か?

CPLフィルターとは、Circular Polarizing Filter(円偏光フィルター)の略で、カメラレンズに取り付けることで、写真に様々な効果をもたらすフィルターです。

PLフィルター(Polarizing Filter)とも呼ばれることもあります。

補足

PLフィルターには円偏光フィルターと直線偏光フィルターがあります。一般的に使用されているのは円偏光フィルター(CPL)です。


CPLフィルターの効果

CPLフィルターには次のような効果があります。

  • 反射の抑制
    ガラスや水面などでの反射を減らし、よりクリアな画像を得ることができます。
  • 空の青色の強調
    空の青色をより鮮やかにし、雲を白く浮かび上がらせます。
  • 色彩の鮮やかさ
    色彩の鮮やかさを増し、コントラストを高くすることができます。
  • ギラツキの軽減
    非金属面のギラツキを抑え、自然な光を再現します。


CPLフィルターが効果を発揮するシーン
  • 風景写真: 空の青さを際立たせ、雲を白く浮き上がらせる
  • 人物写真: 肌の色を美しく表現し、反射を抑えて目を輝かせる
  • 商品撮影: ガラス製品の反射を抑え、商品本来の色を再現する


CPLフィルターの仕組み

CPLフィルターは、光が持つ振動方向を特定の方向に揃えることで、反射光をカットしたり、特定の色合いを強調することができます。

CPLフィルターは、2枚の偏光板が重ねられており、その間に1/4波長板が挟まれています。この構造により、入射光を円偏光に変換し、特定の方向の直線偏光だけを通過させることができます。

CPLフィルターはあくまで偏光している光に対して効果を発揮するものなので、直接的な太陽光や直接的な照明など(ほぼ)偏光していない光源下では意味がありません

むしろ、カメラに入る光の量が減ったり、ケラレが発生することがあるためつけない方がいいです。


CPLフィルターの使い方(角度によって効果が変化する)

CPLフィルターは、レンズの前面にねじ込んで使用します。

フィルターを回転させる角度によって効果が変化するため、撮影しながら最適な角度を探す必要があります。


フィルターを回転させることで、通過する光の振動方向が変化し、結果として撮影画像に様々な効果が現れます。


偏光とは何か?

偏光とは、光が持つ性質の一つで、電磁波の振動方向が特定の方向に揃っている状態のことを指します。

光は、電場と磁場が互いに垂直に振動しながら進む波です。通常、自然光はあらゆる方向にランダムに振動しています。つまり、自然光は偏光していません。

ですが、自然光がガラスなどの特定の物質を通過したり、鏡などで反射したりする際に、振動方向が揃い、偏光光になります


偏光と無偏光の例
  • 直接的な太陽光
    太陽から直接届く光は、無偏光であると考えられています。
  • 一般的な照明器具
    白熱電球や蛍光灯など、多くの照明器具から出る光は、無偏光か、ごくわずかに偏光している程度です。
  • 液晶ディスプレイ
    液晶ディスプレイから出る光は、液晶パネルを通過することで偏光しています
  • 自然光が窓から入る場合
    窓ガラスで反射したり、室内にある物体で散乱したりすることで、部分的に偏光する可能性があります。


CPLフィルターのメリット

CPLフィルターのメリットは様々あります。

CPLフィルターのメリット
  • 手軽に撮影効果を高められる: レンズに装着するだけなのでつけ外しも簡単です。
  • 反射の抑制: 水面やガラス面などの反射を減らし、よりクリアな画像を得ることができます。
  • 空の青色の強調: 空の青色をより鮮やかにし、雲を白く浮かび上がらせます。
  • 色彩の鮮やかさ: 色彩の鮮やかさを増し、コントラストを高くすることができます。
  • ギラツキの軽減: 非金属面のギラツキを抑え、自然な光を再現します。
  • 保護効果: レンズの前面に取り付けるため、レンズを傷や汚れから保護する効果もあります。


CPLフィルターのデメリット

CPLフィルターには次のようなデメリットがあります。

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  • 透過率の低下: フィルターを通過する光量がわずかに減るため、露出不足になる可能性があります。(わずかです)
  • 画質への影響: フィルターの品質や使い方によっては、画像にゴーストやフレアが発生する場合があります。
  • 価格: 高品質なCPLフィルターは高価なものが多く、コストがかかります。
  • ケラレの発生: 広角レンズを使用する場合、フィルターの端でケラレが発生することがあります。
  • 熱による劣化: 高温環境下での使用は、フィルターの劣化を早める可能性があります。


CPLフィルターの注意点

CPLフィルターを選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。

  • レンズ径: ご自身のカメラレンズに合うサイズを選びましょう。※とても重要です!
  • 素材: 光学ガラス製が一般的ですが、樹脂製のものもあります。
  • 多層コート: 透過率が高く、フレアやゴーストを抑える多層コートが施されているものがおすすめです。


CPLフィルターは常につけっぱなしでいいか?

CPLフィルターは、撮影状況によって効果が大きく変わるため、常時装着しておくと良い場合と、外しておいた方が良い場合があります。

CPLフィルターはあくまで偏光している光に対して効果を発揮するものなので、直接的な太陽光や直接的な照明など(ほぼ)偏光していない光源下では意味がありません。

むしろ、カメラに入る光の量が減ったり、ケラレが発生することがあるためつけない方がいいです。


常時装着が良い場合

  • 青空をより鮮やかにしたい
    空の青色を強調し、雲を白く浮かび上がらせたい場合。
  • 水面やガラスの反射を抑えたい
    水面やガラス面の反射を減らし、水中やガラスの向こう側をクリアに見せたい場合。
  • 非金属面のギラツキを抑えたい
    車のボディや宝石など、非金属面のギラツキを抑え、自然な光を再現したい場合。


常時装着が悪い場合

  • 室内撮影
    室内光源は偏光していないため、CPLフィルターの効果はあまり期待できません。むしろ、光量を減らしてしまう可能性があります。
  • 広角レンズの使用
    広角レンズを使用する場合、フィルターの端でケラレが発生する可能性があります。
  • 絞りを大きく開けて撮影する場合
    絞りを大きく開けると、光量が不足し、シャッタースピードが遅くなる可能性があります。


まとめ

CPLフィルターは、写真撮影の幅を広げる便利なアイテムです。効果を理解し、適切な使い方をすることで、より魅力的な写真が撮影できます。

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