DJI RS4は、プロフェッショナルな映像制作に欠かせないツールとして人気を集めています。しかし、多様なジンバルモードの存在により、どのモードを使えば良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、DJI RS4の主要なジンバルモードであるPF、PTF、FPV、3Dロール360について、それぞれの特徴や違いを詳しく解説します。それぞれのモードがどのような撮影シーンで活躍するのか、具体的な活用方法も合わせてご紹介します。
この記事を読めば、DJI RS4のジンバルモードをマスターし、よりクリエイティブな映像制作が可能になります。ぜひ最後までご覧ください。
DJI RS4で使える4つのモード
DJI RS4には次の4つの撮影モードが用意されています。
PFモード(パンフォロー)
PF(パンフォロー)モードとは、ジンバルが横方向(パン)の動きのみをカメラに追従させるモードのことです。
縦方向や回転方向に動かないので最も安定した動画を撮影することができます。このため、ドリーのような動きをしたい場合はPFモードにします。
上下方向の動きは体や腕の上げ下げで対応します。
PFモードの特徴
- 横方向の動きに特化
カメラは左右の動きにのみ反応し、上下方向の動きは追従しません。(追従せず安定していてくれる) - 背景を固定
被写体が横方向に移動しても、背景は固定された状態で撮影できます。 - 安定した映像
上下方向のブレを抑え、安定した映像を撮影できます。
PFモードの活用シーン
- 静止画撮影
背景をぼかして被写体を際立たせたい場合や、パノラマ写真を撮影する場合に有効です。 - 横方向に移動する被写体の撮影
スポーツ競技や、横方向に移動する車両などを追いかける際に適しています。 - 背景を固定したい場合
インタビューや製品紹介など、背景に注意を向けさせたい場合に使用します。
PFモードのメリット
- シンプルな操作
上下方向の動きを気にせずに撮影できるため、初心者でも扱いやすいです。 - 安定した映像
上下方向のブレを抑え、プロフェッショナルな映像を撮影できます。 - 背景を効果的に活用
背景を固定することで、被写体を際立たせたり、雰囲気のある映像を作成できます。
PTFモード(パン&チルトフォロー)
PTFモードは、ジンバルが横方向(パン)と上下方向(チルト)の動きをカメラに追従させるモードです。このためジンバルを動かすと、カメラもそれに合わせて横や縦に動きます。
PFモードに比べてより直感的に操作できます。よく使うモードの一つです。
PTFモードの特徴
- 全方向への動きに対応
横だけでなく、上下方向の動きにも対応するため、より自然な映像を撮影できます。 - 汎用性が高い
人物インタビュー、スポーツ撮影など、様々なシーンで活用できます。 - スムーズな追従
ジンバルの動きに対して、カメラが滑らかに追従するため、安定した映像を撮影できます。
PTFモードの活用シーン
- 人物インタビュー
被写体が上下に動いたり、近づいたり遠ざかったりしても、スムーズにカメラが追従します。 - スポーツ撮影
選手の動きに合わせて、カメラが自然に追従するため、ダイナミックな映像を撮影できます。 - 一般的な動画撮影
日常の記録や旅行のVlogなど、様々なシーンで活用できます。
PTFモードのメリット
- 自然な映像
カメラの動きが滑らかで、被写体に集中できる映像を撮影できます。 - 汎用性が高い
様々な撮影シーンに対応できるため、1つのモードで多くの撮影をこなせます。 - 操作のしやすさ
PFモードに比べて、より直感的に操作できます。
FPVモード(First Person View)
FPVモードは、カメラがまるで自分の目を通して見ているかのように、操作者の視点で映像を撮影できるモードです。
PTFのパン軸とチルト軸に加えて、ロール軸も動きます。グルグル回るような動きになるので制御も難しく、見ずらい映像(映像酔い)になるリスクがあります。
基本的にはあまり使用しないモードです。
MV(ミュージックビデオなど)ダイナミックな動きを取り入れたい場合に使用するとかっこいい映像を撮ることができます。
FPVモードの特徴
- 臨場感あふれる映像
操作者の動きに合わせてカメラが動き、まるで自分がその場にいるような感覚で撮影できます。 - ダイナミックな映像
アクションシーンや高速移動時の撮影に最適で、臨場感あふれる映像を撮影できます。 - 自由度の高い撮影
ジンバルの動きに制限がなく、自由にカメラを動かすことができます。
FPVモードの活用シーン
- アクションカメラ
アクションスポーツやアドベンチャースポーツの撮影に最適です。 - ドローン視点の撮影
ドローンのように空から撮影したい場合に活用できます。 - VRコンテンツ制作
360度カメラと組み合わせることで、VRコンテンツを制作できます。
FPVモードのメリット
- 新しい視点からの撮影
従来のカメラワークでは表現できなかった、ダイナミックな映像を撮影できます。 - 視聴者を惹きつける映像
臨場感あふれる映像は、視聴者の目を釘付けにすることができます。 - クリエイティブな表現
自由度の高い撮影により、個性的な映像表現が可能になります。
FPVモードの注意点
- 操作の難しさ
初心者にとっては、操作に慣れるまで時間がかかる場合があります。 - 映像酔い
動きが激しい映像は、視聴者に酔いをもたらす可能性があります。
3Dロール360モード
3Dロール360モードは、ジンバルが自動で360度回転し、まるでペンライトのようにカメラがぐるりと一周するような撮影ができるモードです。
FPVモードの一種であり、ダイナミックで印象的な映像表現に適しています。
なお、360度回転には多くのバッテリーを消費するため、事前に充電しておきましょう。
3Dロール360モードの特徴
- 360度回転
ジンバルが水平軸を中心に360度回転します。 - FPVモードの一種
操作者の動きに連動してカメラが動くため、ダイナミックな映像が撮影できます。 - 特殊な映像表現
パノラマ撮影や、タイムラプス動画など、ユニークな映像表現が可能です。
3Dロール360モードの活用シーン
- パノラマ撮影
建築物や風景をぐるりと一周撮影し、パノラマ写真や動画を作成できます。 - タイムラプス
長時間をかけてゆっくりとジンバルを回転させ、時間の経過を表現するタイムラプス動画を作成できます。 - 特殊効果
360度回転を利用した特殊効果を加えることで、クリエイティブな映像を作成できます。
設定のポイント1: フォロー速度
ジンバルで撮影するときに重要な設定のポイントの1つに「フォロー速度」があります。
デフォルトのディスプレイの右下の「カスタム」(あるいは、低速、中速、高速)を選択します。
この設定はジンバルを上下左右に動かしたときに、各軸がどのぐらいのスピードでついてくるかを決めるものです。
数値が大きいと(MAX100)、フォローが速くシュンと切り替わるような不自然な動きになります。逆に数値が小さい(MIN100)と、フォローが遅く、全然ついてきてくれない状態になります。
どういった撮影をするかにもよりますが、一般的な撮影であれば50前後が最適です。
設定のポイント2:ジョイスティック速度
ジョイスティック速度も重要な設定項目です。
ジョイスティックを操作することでジンバルを思いのままに動かすことができます。「ジョイスティック速度」はジョイスティックを動かしたときにどのぐらい速く軸を動かすか指定するものです。
あまりにスピードが速いと動きが不自然になります。このため、低めに設定しておくと見ている人が疲れにくいスピードでジンバルの向きを変えることができます。
コメント