「ソフトボックスの黒い格子、あれって一体何のためにあるの?」
写真撮影でよく使われるソフトボックス。その中に黒いメッシュ状の格子があるのは見かけたことがあるかもしれません。この格子、実は「グリッド」と呼ばれるもので、光をコントロールする重要な役割を担っています。
今回は、このグリッドがどんなもので、どんな時に使うのかを初心者の方にもわかりやすく解説します。
ソフトボックスとは何か?
ソフトボックスは、ストロボや連続光源などの光源に取り付けて使用する照明器具の一種です。
内部に反射材が施されており、直接的な光を拡散させ、柔らかくムラのない光を被写体に当てることができます。
ポートレート撮影や製品撮影など、様々な撮影シーンで用いられ、影を柔らかくしたり、光の方向をコントロールしたりするのに役立ちます。
ライトを使った撮影のポイントは「ライトを使っていることがわからないこと」です。このためにも、直接的な光は固く、被写体を照らしすぎるため、ソフトボックスは必須のアイテムとなっています。
グリッドとは何か?(ソフトボックスとは何か?)
グリッドは、ソフトボックスの中に取り付けられる、蜂の巣状の黒いメッシュ状のものです。
このグリッドを取り付けることで、ソフトボックスから出る光の拡散範囲を狭めることができます。
つまり、光の範囲をコントロールするために使います。
グリッドによる効果
グリッドの主な目的は、光の拡散を制御し、より指向性の高い光を作り出すことです。これにより、以下の効果を得ることができます。
光の拡散範囲の制限
グリッドを使用することで、光が特定の方向に集中し、より狭い範囲に光を届けることができます。
光のコントラスト向上
グリッドを使うと、光と影のコントラストを際立たせることができ、被写体をより立体的に表現できます。
背景への光の漏れ防止
背景に光が漏れてしまうのを防ぎ、背景を暗く保つことができます。
不要な反射の抑制
光が反射するのを防ぎ、より自然な光を演出できます。
あえて光を拡散させて広範囲を照らしたいという場合以外は合った方がいいアイテムです。
グリッドの用途
グリッドの特性を生かして、以下のような場面でつかうとよりクリエイティブな写真や動画撮影をすることができます。
- ポートレート撮影
グリッドを使うことで、顔に光を集中させ、背景をぼかして人物を際立たせることができます。特に、逆光での撮影や、特定の箇所を強調したい場合に効果的です。 - 製品撮影
製品に光を当て、影を強調することで、製品の立体感を出すことができます。また、光沢のある製品の反射を抑えることもできます。 - 舞台照明
スポットライトのように光を一点に集中させることで、特定の場所を照らすことができます。 - 動画撮影
背景をぼかしたり、特定の被写体に光を当てたりすることで、映像に奥行きや立体感を与えることができます。
グリッドの種類
グリッドには格子の細かさ(セルサイズ)や形状などいくつか種類があります。
- セルサイズ
セルサイズが小さいほど、光の拡散が制限され、光がより集中します。 - 形状
円形、正方形など、さまざまな形状があります。 - ハニカム(形状の一つ)
ハニカムグリッドと呼ばれる、グリッドよりも細かいセルを持つグリッドがあります。より光を集中させたいときに使用します。
撮影する被写体や状況に合わせて選ぶことが大切です。
まとめ
グリッドは、ソフトボックスの光をより効果的にコントロールするためのツールです。
撮影の状況に合わせて、グリッドの有無や種類を使い分けることで、より表現豊かな作品作りが可能になります。
コメント