DJI Air 3などのDJIのドローンの設定には「ノーマル」「HLG」「D-Log M」の3つのカラーモードがあります。どれを選べば良いか悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
ノーマル、HLG、D-Log M、それぞれ特徴が異なり、用途によって最適なモードは異なります。
この記事では、DJI Air 3の3つのカラーモードの違いを分かりやすく解説し、あなたの撮影スタイルに合った最適なモード選びをサポートします。
さらに、H.264とH.265とは何かや、その違いについても触れ、より高画質な動画撮影を目指す方にも役立つ情報を提供します。
この記事を参考に、DJI Air 3で最高の空撮を体験しましょう!
ノーマル
「ノーマル」は一般的な撮影に適したモードです。
カメラが自動で最適な露出と色調整を行い、見たままの映像を記録します。コントラストが比較的高く、彩度も豊かです。
ノーマルのメリット
ノーマルのメリットは以下になります。
- 撮影した映像をすぐに確認でき、編集なしで鑑賞できる。
- 初心者でも扱いやすく、手軽に美しい映像が撮影できる。
- ファイルサイズが他の2つに比べて軽い。
ノーマルのデメリット
ノーマルのデメリットは以下になります。
- ダイナミックレンジが狭いため、明るい部分や暗い部分がつぶれやすい。
- 編集の自由度が低く、後から色味などを大きく変更することが難しい。
HLG (Hybrid Log-Gamma):
HLG (Hybrid Log-Gamma)は、HDR(ハイダイナミックレンジ)映像に対応したモードです。
HLGのメリット
HLGのメリットは以下になります。
- 広いダイナミックレンジを記録でき、明るい部分と暗い部分の両方のディテールを保持できる。
- HDR対応のディスプレイで再生することで、より豊かな色彩とコントラストを楽しむことができる。
- ノーマルモードに比べて、編集の自由度が高い。
HLGのデメリット
HLGのデメリットは以下になります。
- ノーマルモードに比べて、ファイルサイズが大きくなる傾向がある。
- HDR対応のディスプレイでないと、その特徴を活かせない。
D-Log M
D-Log Mはプロフェッショナル向けのモードです。最大限のダイナミックレンジと色情報を記録できます。
後処理で自由に色調やコントラストを調整できるため、クリエイティブな映像制作に適しています。
D-Log Mのメリット
D-Log Mのメリットは以下になります。
- 編集の自由度が非常に高く、幅広い表現が可能。
- 高品質な映像制作に最適。
D-Log Mのデメリット
D-Log Mのデメリットは以下になります。
- 初めて使用する場合は、LUT(ルックアップテーブル)などを利用して色補正を行う必要がある。
- ノーマルモードやHLGモードに比べて、ファイルサイズが大きい。
どれを選べばいいか?
どのモードを選ぶかは、撮影シーンや編集技術、再生環境によって異なります。
撮影目的別
- スナップショットやSNS投稿など、すぐに鑑賞したい: ノーマルモード
- より高品質な映像を求める場合や、後処理で自由に編集したい:HLGまたはD-Log M
編集スキル別
- 編集スキルが低い:初心者にはHLGがおすすめです。
- 編集スキルが高い:D-Log M(高度な編集スキルが必要)
再生環境別
- HDR対応のディスプレイで再生する: HLG
H.264とH.265とは何か?違い
またいずれのカラーモードを選択した場合でも、動画圧縮方式を次の2つから選択する必要があります。
H.264
H.264とは何か?
H.264(エイチにいろくよん)は、正式名称を「H.264/MPEG-4 AVC」といい、動画圧縮規格の一つです。
2003年に国際規格となり、非常に高い圧縮効率と画質のバランスを実現したことで、世界中で広く利用されています。
H.264の特徴
- 高い圧縮効率
従来のMPEG-2などに比べて、大幅に高い圧縮効率を実現します。これにより、少ないデータ量で高画質な動画を保存・配信することが可能になりました。 - 高画質
高い圧縮率でありながら、高い画質を維持できます。特に動きのあるシーンでも、ノイズが少なく、なめらかな映像表現が可能です。 - 汎用性の高さ
多くのデバイスやソフトウェアでサポートされており、非常に汎用性が高いです。スマートフォン、タブレット、PC、デジタルカメラ、テレビなど、様々な機器でH.264形式の動画を再生することができます。 - リアルタイム処理
リアルタイムでのエンコード・デコード処理が高速に行えるため、インターネット配信やビデオ会議など、リアルタイム性が求められる用途にも適しています。
H.265
H.265とは何か?
H.265(エイチにいろくご)は、正式名称を「H.265/MPEG-H HEVC」といい、動画圧縮規格の一つです。H.264の後継規格として開発され、高画質・高圧縮が特徴です。
2013年に国際電気通信連合電気通信標準化部門(ITU-T)によって正式に承認され、国際規格となりました。
H.264との違い
- 圧縮効率
H.265はH.264に比べて、大幅に高い圧縮効率を実現します。同程度の画質の動画であれば、H.265の方がより小さなファイルサイズで保存できます。 - 高画質対応
H.265は、4Kや8Kといった高解像度の動画にも対応しており、より細やかで美しい映像表現が可能です。 - 複雑なアルゴリズム
H.265は、H.264よりも複雑なアルゴリズムを採用しており、より高度な圧縮技術が用いられています。
H.265のメリット
- 高画質でありながら、ファイルサイズを大幅に削減できるため、ストレージ容量の節約や高速なデータ転送に貢献します。
- 4Kや8Kといった高解像度動画の再生に適しています。
- 次世代の動画フォーマットとして、ますます普及していくことが期待されています。
H.265のデメリット
- H.264に比べて、対応機器はまだ少ない場合があります。
- 複雑なアルゴリズムのため、エンコードやデコードに高い処理能力が必要となる場合があります。
- H.264と同様に、特許の問題が複雑で、ライセンス費用がかかる場合があります。
どっちを使うべきか
基本的には後継で新しいH.265を使うことがオススメです。
高画質をより高い圧縮率で保存することができます。
まとめ
高品質な映像を撮りたい場合は「D-Log M」と「H.265」の組み合わせが最適です。
趣味で撮影するのであれば、「ノーマル」と「H.265」の組み合わせでも問題ありません。
コメント