ストロボは必要?バウンスフラッシュやディフューザー、ジェルフィルター、フィルフラッシュ、ハードライトとは何か?

Photo

写真館に記念撮影に行くとストロボをたくことが一般的です。ですが、個人が撮影をするときにストロボは必要なのでしょうか?

特に最近のカメラは性能が著しく向上し、ISOを12800ぐらいまで上げても画質がそこまで悪くならないレベルにきています。

そんな中でストロボは必要なのか?についてまとめています。

また、ストロボに関係する用語、バウンスフラッシュやディフューザー、ジェルフィルター、フィルフラッシュ、ハードライトなどについても解説しています。


ストロボの役割

結論から言うとカメラの性能が向上している今でも、室内で撮影をする場合はストロボがあった方がいいです。

ストロボは被写体を明るく撮影する以外にも様々な撮影方法を可能にするツールでもあります。ストロボを使うことで主には以下のようなことができます。

ストロボの役割
  1. 補助光源
  2. 影のコントロール
  3. 高速シャッターとの併用
  4. クリエイティブな表現
  5. 製品撮影や商品撮影


補助光源

フラッシュは主に照明の補助として使用され、暗い場所や逆光でのポートレートなど、十分な照明が得られない状況で被写体を明るく照らします


影のコントロール

フラッシュを使用することで、被写体の周りにできる影を減少させたり、柔らかい光を作り出すことができます。特に屋内や暗い場所でのポートレート撮影において、美しい肌の質感を再現するために重要です。


高速シャッターとの併用

フラッシュを使用することで、高速シャッターとの併用により、動きの速い被写体を凍結することが可能です。例えばスポーツや動物の撮影などで有効です。


クリエイティブな表現

フラッシュの光量や方向、色温度などを調整することで、写真に独自のクリエイティブな表現を加えることができます。

例えば、ハイキーやローキーの効果を強調したり、背景を暗くして被写体を浮き立たせるなどが可能です。

MEMO
  • ハイキー(High-key)とは、明るいトーンが主体の写真スタイル
  • ローキー(Low-key)とは、暗いトーンが主体の写真スタイル


製品撮影やスタジオ撮影

製品の撮影では、ストロボを使用して光の方向や強度を完全に制御し、製品のディテールを際立たせることができます。

スタジオ撮影では、複数のストロボを使用して背景と被写体を分離させたり、クリエイティブなライティングを施すことができます。


バウンスフラッシュ

ストロボを被写体に直接向けると、被写体の顔などが不自然に明るくなってしまうことがあります。そういうときはバウンスフラッシュを使います。

バウンスフラッシュ(Bounce flash)とは、フラッシュを直接被写体に向けるのではなく、壁や天井などに向けて光を反射させる撮影テクニックです。ストロボを真上や斜め上に向けて撮影します。

バウンスフラッシュは特に以下のようなシーンで効果的です。

バウンスフラッシュの使いどころ
  • ポートレート撮影: 被写体の肌を柔らかく照らしたり、自然な肌のトーンを保つために使用します。
  • 屋内イベント: 室内の天井や壁を利用して、広範囲に渡って均一な照明を確保します。
  • 商品撮影: 製品の色や質感を正確に再現するために、均一で柔らかい光を提供します。
  • 料理撮影: 食材や料理の質感を美しく引き出すために使用されます。



バウンスフラッシュの使い方

バウンスフラッシュは、フラッシュヘッドが可動式の場合は真上に向けます。動かない場合はアクセサリーを使って反射板を装着します。

撮影者は光の反射角度や反射面の色、フラッシュの出力などを調整して、最適な照明効果を得ることができます。


バウンスフラッシュで得られる効果

バウンスフラッシュを得られる効果は下記になります。


反射光の利用

フラッシュの光を天井や壁に向けることで、その表面から反射した光が被写体に届きます。この反射光によって、より柔らかく自然な光が得られます


柔らかな光による質感向上

直接フラッシュを使うと、強い影やハードな光ができがちです。

ですが、バウンスフラッシュを使うことで影を減らし、柔らかな照明を作り出します。特にポートレート撮影などで肌の質感を自然に表現するのに効果的です。


背景を自然にする

背景にもバウンスした光が反射するため、被写体と背景の明るさのバランスを調整しやすくなります。特に室内での撮影や暗い場所での撮影時に有効です。


眩しさの軽減

直接フラッシュを被写体に向けると、被写体が眩しくなりがちです。

ですが、バウンスフラッシュを使用することで、被写体の眩しさを軽減しつつ適切な露出を得ることができます



ディフューザーとは何か?

ディフューザーは、フラッシュやスタジオ照明の光を柔らかく拡散させるためのアクセサリーです。

光を直接当てると、強い影やハードな光が被写体に当たってしまいますが、ディフューザーを使うことで、光を柔らかく広げ、自然で均一な照明効果を得ることができます


ディフューザーの種類

ディフューザーには主に以下の4つの種類があります。

ディフューザーの種類
  1. クリップオンディフューザー
  2. ソフトボックスディフューザー
  3. バウンスディフューザー
  4. ドームディフューザー


クリップオンディフューザー

クリップオンディフューザーとは、小型のプラスチック製のディフューザーで、フラッシュユニットの上部に直接取り付けます。

ポートレート撮影や室内撮影で、フラッシュ光を柔らかくし、被写体の肌のトーンを自然に見せるために使用します。

(出典)Amazon フラッシュディフューザー


ソフトボックスディフューザー

ソフトボックスディフューザーはフラッシュユニットやスタジオライトの前に取り付ける大型のボックス状のディフューザーです。

内側が反射材で覆われており、光を均一に拡散させます。

プロフェッショナルなポートレート撮影や商品撮影で、広い範囲を均一に照らすために使用します。

(出典)Amazon GODOX AD-S60S


バウンスディフューザー

バウンスディフューザーはフラッシュの光を天井や壁に反射させて、間接的に被写体に当てるディフューザーです。

室内撮影で自然なライティング効果を得るために使用します。


ドームディフューザー

ドームディフューザーはフラッシュの上部に取り付ける半透明のドーム型ディフューザーです。

全方向に柔らかい光を広げ、特に狭い空間での撮影に適しています。

(出典)Amazon Godox ML-CD15 ソフトボックス拡散ドームキット


ディフューザーの効果

ディフューザーには次のような効果があります。


光を柔らかくする

ディフューザーを使用することで、光が柔らかくなり、被写体に自然な陰影を作ります。これにより、肌のトーンが滑らかに見え、ハイライトやシャドウが穏やかになります。


光を均一にする

ディフューザーは光を広げるため、広い範囲を均一に照らすことができます。これにより、写真全体の露出が均一になり、プロフェッショナルな仕上がりが期待できます。

見た目を自然にする

ディフューザーを使用することで、直射光の強い影を避け、被写体が自然に見えるようになります。特にポートレート撮影では、被写体の表情や肌の質感が自然に映し出されます。

ストロボを被写体に直接当てるととても不自然になることを回避できます。


カラーフィルター(ジェルフィルター)とは何か?


カラーフィルター(ジェルフィルター)とはストロボで色を変えるフィルターのことです。

(出典)Amazon Selens フラッシュ/ストロボ用 カラーフィルターセット
(出典)Amazon Selens フラッシュ/ストロボ用 カラーフィルターセット


カラーフィルターを使う目的は、主に以下のようなものがあります。

色の調整と補正

フラッシュの白色光にフィルターを使用することで、撮影する被写体や背景に色調を加えたり、白色バランスを調整したりします。例えば、室内照明の暖色系とフラッシュのクールな光を調和させるために使用することがあります。


特定の雰囲気や効果の演出

    カラーフィルターを使用することで、撮影の雰囲気やムードを演出することができます。

    例えば、青色のフィルターを使用して寒色系の冷たい雰囲気を作り出したり、赤色のフィルターで暖かみのある情緒的な光を出したりします。


    クリエイティブな表現

      カラーフィルターを使用することで、通常の白色光では再現できない独特な効果や表現を試みることができます。

      例えば、ポートレートやアート写真での個性的な光の演出に使用されることがあります。

      視覚的な階層の追加

        複数のフラッシュユニットを使用し、異なる色のフィルターをそれぞれに適用することで、被写体や背景に深みや立体感を与えます。これにより、写真全体に奥行きや視覚的な階層感を追加することができます。


        総じて言えば、カラーフィルターを使うことで、撮影者の意図する色調や効果をより精緻にコントロールし、クリエイティブな表現を可能にします。

        このため、ポートレートやスタジオ撮影、特定のテーマやコンセプトを持った作品で活用されることが多いです。


        フィルフラッシュとは何か?

        フィルフラッシュ(Fill Flash)は、主に自然光や他の主要な光源によって照らされた被写体の影を埋めるために使用する補助的なフラッシュです。

        主光源からの影を柔らげ、被写体全体の露出を均一にする役割を果たします。


        使うシーン

        例えば次のようなシーンで使います。

        逆光撮影

        太陽が被写体の背後にある場合、被写体の顔や前面が暗くなることがあります。フィルフラッシュを使用して、前面を適切に照らします。

        高コントラストのシーン

        明るい部分と暗い部分のコントラストが強いシーンでは、フィルフラッシュを使用して影を軽減し、全体のバランスを取ります。


        特徴

        • 影を軽減し、被写体全体の露出を均一にする。
        • 自然光やその他の照明と組み合わせて使用する。
        • ポートレート撮影や逆光撮影において、顔やその他の重要なディテールが暗くならないようにするために使用。


        使い方

        1. フラッシュをカメラに取り付けるか、リモートで使用します。
        2. フラッシュの出力を調整し、主光源に合わせてフィルフラッシュの光量を設定します。
        3. シャッターを切り、影が適切に埋められているか確認します。


        ハードライトとは何か?

        ハードライト(Hard Light)は、直射光の強い影を特徴とする照明です。

        光源が小さく、直接被写体に当たるため、シャープで強い影ができます。このような光は、強いコントラストと鮮明なディテールを生み出します。

        特徴

        • シャープで強い影を生む。
        • 高コントラストで、ディテールが鮮明に見える。
        • ドラマチックで力強い効果を生むことができる。


        使うシーン

        • ファッション撮影: ドラマチックで力強いイメージを求める場合。
        • 商品撮影: 製品の形状やテクスチャを強調するために使用。
        • 芸術的なポートレート: 被写体の個性的な特徴を強調し、力強い表現を求める場合。


        使い方

        1. 小さくて強い光源(裸のフラッシュや直接の照明)を使用します。
        2. 光源を被写体に向け、直接照らします。
        3. 光と影のコントラストを確認し、撮影の意図に合うように調整します。

        コメント

        タイトルとURLをコピーしました