一眼レフやミラーレスカメラでレンズを選ぶときに必ず「焦点距離」という言葉が出てきます。
焦点距離はF値の調整や被写界深度などとも密接に関わっているため、写真撮影においては知っておくべき重要な要素の1つです。
特にレンズごとに焦点距離が決まっていて、広角、標準、望遠、ズーム、魚眼、マクロレンズなどでだいたいの焦点距離も決まっているぐらいです。
ここでは、焦点距離とは何か?について解説しています。
焦点距離とは何か?
焦点距離(しょうてんきょり)とは、レンズや鏡などの光学系において、光がレンズを通過した後、光線が一点に集まる距離のことを指します。
具体的には、レンズの中心から光が集まる点(焦点)までの距離です。
焦点距離の3つの特徴
焦点距離は、以下のような特性を持っています。
レンズの種類に依存する
焦点距離はレンズが凸レンズか凹レンズかに依存します。
凸レンズ(収束レンズ)は、焦点距離はレンズを通過した平行光線が一点に集まるまでの距離です。
凹レンズ(発散レンズ)では、平行光線がレンズを通過してあたかも一点から発散しているように見える点までの距離になります。
視野角に影響する
焦点距離が長いほど、視野角が狭くなり被写体がより大きく見えます。
逆に、焦点距離が短いと、広い範囲が撮影でき被写体は小さく見えます。
倍率に影響する
長い焦点距離のレンズは高倍率を提供し、短い焦点距離のレンズは低倍率になります。
焦点距離とレンズの種類(広角,標準,望遠,ズーム,魚眼,マクロ)
焦点距離は視野角(どれだけ広い範囲を撮影できるか)や倍率に影響するため、レンズの種類と密接に関係しています。
以下のレンズの焦点距離や特徴をまとめておきます。
焦点距離ごとに一レンズの種類と一般的な特徴について詳しく説明します。
広角レンズ(焦点距離:35mm以下)
- 焦点距離:35mm以下
- 特徴:
- 広い視野角を持ち、大きな範囲を撮影できる。
- 風景写真や建築写真に適している。
- 被写体に近づいても多くの背景を含めることができる。
- パースペクティブ効果が強く、被写体が歪んで見えることがある。
標準レンズ(焦点距離:35~50mm)
- 焦点距離:35~50mm
- 特徴:
- 人間の視野に近い自然な画角を持つ。
- 汎用性が高く、ポートレートやスナップ写真、風景写真などに幅広く使える。
- 画角が広すぎず狭すぎないため、使いやすい。
望遠レンズ(焦点距離:85mm以上)
- 焦点距離:85mm以上
- 特徴:
- 遠くの被写体を大きく写すことができる。
- スポーツ写真や野生動物の撮影に適している。
- 背景がぼけやすく、被写体を強調できる。
- 画角が狭いため、手ぶれの影響を受けやすい。
ズームレンズ(焦点距離:可変)
- 焦点距離:可変(例:24-70mm、70-200mmなど)
- 特徴:
- 一つのレンズで複数の焦点距離をカバーできる。
- レンズを交換する手間が省け、撮影の柔軟性が高い。
- 一般的には固定焦点距離のレンズよりも画質が劣ることがあるが、最近の高品質ズームレンズでは画質の差は小さい。
魚眼レンズ(焦点距離:8~15mm)
- 焦点距離:8~15mm
- 特徴:
- 非常に広い視野角(180度以上)を持つ。
- 画像が球状に歪み、ユニークな視覚効果を生む。
- 特殊効果やクリエイティブな撮影に使用される。
マクロレンズ(焦点距離:50~200mm)
- 焦点距離:50~200mm
- 特徴:
- 近距離での撮影が可能で、小さな被写体を大きく写すことができる。
- 昆虫や花などの接写に適している。
- 高い解像度とシャープネスを持つ。
まとめ
焦点距離によってレンズの種類も変わります。標準的なレンズの種類と用途は以下になります。
- 広角レンズ(焦点距離が短い:35mm以下)
広い範囲を撮影できるため、風景や建築、インテリアの撮影に適している。歪みが強く出ることがあるが、ダイナミックな写真が撮れる。 - 標準レンズ(中間の焦点距離:35~50mm)
自然な視野角で、様々なシーンで活用できる。ポートレートやスナップ写真など、幅広い用途に使える。 - 望遠レンズ(焦点距離が長い:85mm以上)
遠くの被写体を大きく撮影でき、被写体を際立たせるための背景ぼかし(ボケ効果)が強い。スポーツや野生動物の撮影に適しているが、手ぶれに注意が必要。
これらの特徴を踏まえて、撮影シーンや目的に応じて適切なレンズを選ぶことが重要です。
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