【カメラ】露出補正とは何か?露出との違いや意味と調整方法

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一眼レフやミラーレスカメラにはシャッタースピード、F値、ISOの他の重要な設定項目として「露出補正」があります。

ここでは、露出補正とは何なのか?について、露出との違いやシーン別の設定例などを解説しています。


露出補正とは何か?

カメラの露出補正とは、カメラが自動的に設定した露出の値(露出値)を手動で調整する機能です。

露出補正を使用することで、写真の明るさを増減させることができます。これは、特定の撮影状況でカメラの自動露出が必ずしも最適な露出を提供しない場合に役立ちます。


なお、露出補正はカメラの設定でよく見る 【-3 2 1 0 1 2 +3】、あるいはファインダーに表示されるという表示です。


露出とは何か?

そもそも露出補正の「露出」とは、カメラのセンサーやフィルムにどれだけの光が当たるかを決定する要素で、写真の明るさに直接影響します。

英語ではExposureといいます。

露出、つまりカメラのセンサーに光をあてるかは主に以下の3つの要素で決まります。

露出を決める3つの要素
  1. シャッタースピード(Tv)
  2. 絞り(Av, F値)
  3. ISO感度


シャッタースピード(Tv)

    シャッタースピードは、カメラのシャッターが開いている時間の長さです。

    長いシャッタースピードでは多くの光がセンサーに当たり、短いシャッタースピードでは光量が少なくなります。

    シャッタースピードが長いほど、撮影時間が長くなるため、動いている被写体がブレやすくなります

    (例)1/60秒、1/250秒、1/1000秒など。


    絞り(Av、F値)

    絞り(Av、F値)はレンズの開口部の大きさを表します。

    絞りが開いている(F値が小さい)ほど多くの光がセンサーに入ります。絞りが絞られている(F値が大きい)ほど光量はすくなくなります。

    絞りは被写界深度(ピントの合う範囲)にも影響します。

    (例)F2.8、F4、F8など。


    ISO(ISO感度)

    ISO(ISO感度)はカメラのセンサーが光に対してどれだけ敏感かを表します。

    ISO感度が高いほど、センサーが少ない光でも明るい画像を生成しますが、ノイズが増えます

    (例)ISO 100、ISO 400、ISO 1600など。



    3つの主要要素による露出調整

    露出を適切に設定するためには、①シャッタースピード、②絞り(F値)、③ISOの3つの要素のバランスを取る必要があります。

    例えば、暗いシーンで撮影する場合は以下のように設定します。

    暗いシーンの撮影
    • シャッタースピードを遅くする(長くする)
      例: 1/0.1, 1, 10, 30秒(※手振れ注意)
    • 絞りを開く(F値を小さくする)
      例: 1.4, 2.8
    • ISO感度を上げる
      例: 6400, 12800, 25600(※上げすぎによるノイズ注意)



    露出補正による手動調整

    ①シャッタースピード、②絞り(F値)、③ISOで露出を調整することでカメラが自動的に露出を調整します。できますが、それ以外にも、手動で露出を調整することができます。

    露出補正機能を使って手動で露出を調整することができます。それが、露出補正(Exposure Compensation)です。

    カメラの自動露出設定に対して、プラス補正(+)で明るく、マイナス補正(-)で暗く調整することができます。



    露出補正の方法(Canonの場合)

    露出補正は写真撮影の際にすぐにアクセスしスムーズに調整できる項目の1つです。

    例えば、Canonの場合だと、シャッターを半押しし、露出レベルを表示したあとに、サブ電子ダイアル(ディスプレイ横の一番大きなダイアル)を回すことで調整できます。


    注意点

    ディスプレイやファインダー上に露出補正の-3~3が表示されているときに、ダイヤルを回しても調整できないときがあります。

    そんなときは、シャッターを半押ししてください。


    露出補正の重要性

    露出補正は非常に重要です。この調整がミスっていると明るすぎたり、暗すぎる写真になります。

    アンダーエクスポーズ(Underexposure)

    アンダーエクスポーズ(Underexposure)は光量不足で、写真が暗くなることです。

    ディテールが失われ、ノイズが増えます


    オーバーエクスポーズ(Overexposure)

    オーバーエクスポーズ(Overexposure)は光が過剰で、写真が明るくなりすぎることです。

    ハイライトが白飛びし、ディテールが失われることがあります。


    露出補正の方法(ヒストグラムで確認する)

    露出補正をするときは、ヒストグラムを確認し「白飛び」や「黒つぶれ」していないか確認します。

    ヒストグラムが左によっていると黒つぶれ、右によっていると白飛びしている部分があるということです。


    なお、Canonのカメラの場合は撮影時に「infoボタン」を押すとヒストグラムを表示することができます。


    シーンに合わせて露出補正

    屋外で撮影するときなど、シーンによって自動で露出補正した方がいいときがあります。例えば次のような場合です。


    雪景色は明るくする

    雪景色の場合、カメラの自動露出ではシーンが暗くなることが多いので、露出補正を+1または+2に設定して、シーンを明るくします。


    夜景は暗くする

    夜景撮影の場合、カメラはなんとか明るくしようとして、自動露出だとシーンが明るくなりすぎることが多いです。このため、露出補正を-1または-2に設定して、シーンを暗くします。



    まとめ

    露出補正は、カメラの自動露出設定を補正して、写真の明るさを意図的に調整するための重要な設定項目です。

    最近のカメラでは、ISOはオートの設定でほぼ問題ないので、①シャッタースピード、②F値、③露出補正のようにTOP3に入るぐらい重要な調整項目です。

    露出補正を適切に使用することで、皆さんがより美しい写真を撮影されることを願います。

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