動画を作成するときいに台本をいちいち作るのは面倒と感じている人もいると思います。
ところが、台本があるかないかで、撮影にかかる時間、編集にかかる時間、出来上がった成果物に大きな変化が生まれます。
ここでは、台本の重要性や、台本の書き方についてまとめています。
台本とは何か?
そもそも台本とは何かというと、セリフや編集指示を細かく描いた実際に撮影する動画の流れです。
演劇、映画、テレビ番組、ラジオ番組などの舞台や撮影現場で使用される「脚本」も台本の1つです。
台本には、物語のストーリーや登場人物のセリフ、演出の指示、撮影場所やカメラの動きなど、作品の制作に関する詳細な情報が含まれています。
台本は演出家や監督が作品を実現するための基本的な資料であり、俳優やスタッフにとっても演技や撮影の指針となります。
台本のメリット
台本があることで次のようなメリットが生まれます。
逆に、台本がないことのメリットは、台本を作る時間を省けるということぐらいでしょう。ただし、台本を作る時間以上に、撮影、編集にかかる時間が増え、できたものも意図したものからブレが発生することにつながります。
個人的な趣味や、Vlogなどの日常の切り取り、短い動画を撮影するのであれば台本がなくてもなんとかなりますが、場所や人を確保したり、長尺の動画(2分以上でも)を作る場合は台本があった方が全ての作業が確実にスムーズになります。
台本はストーリー
動画はただの映像ではなストーリーです。このため、起承転結で書く必要があります。
起承転結という四字熟語を耳にしたことがある人は多いと思います。ですが、「なんだか難しそう」「いまいちよくわからない」という人も少なくないことでしょう。
実は起承転結はとても簡単です。私たちが普段目にしているドラマやアニメ、小説、コーマーシャルも起承転結になっています。とても身近なので、単語の意味や例を知れば「なんだ、そんなことか」となります。
以下で起承転結の意味と実例を紹介します。
起承転結とは?
「起承転結(きしょうてんけつ)」とは、物語の展開や構造を理解しやすくするための概念です。
起(き)
物語の最初の段階です。舞台設定や登場人物の紹介が行います。
また、物語の主要な問題や衝突が提示を提示することで、読者や視聴者に物語の舞台やキャラクターの背景を理解してもらうための重要なパートです。
承(しょう)
物語が進行し、問題や衝突が発展していきます。
登場人物が行動を起こし、物語の主題があきらかになっていきます。
物語の展開が進み、読者や視聴者を物語に引き込んでいきます。
転(てん)
物語の展開が転換点に達し、新たな展開が始まります。
主要な出来事やキャラクターの変化が発生し、物語が新たな方向に向かいます。
転換点は、物語の緊張感や興味を高めるための重要な要素です。
結(けつ)
物語の結末や解決をします。
主要な問題や衝突が解決され、物語の結末を示すことで、読者や視聴者は、物語がどのように解決されるのかを知ることができます。
起承転結がわかる簡単なストーリー
起(主人公が問題や衝突に直面する)
ある小さな町に住む少年、拓也は、いつも同じ道を通って学校に向かっていました。
ある日、彼は通りかかった公園で、一羽の傷ついた小鳥を見つけました。優しい心を持つ拓也は、小鳥を助けることを決意しました。
彼は小鳥を手に取り、自宅に連れて行き、丁寧に手当てをしました。
承(主人公が問題や衝突を解決しようとする過程・展開)
拓也は小鳥を手当てし、家で飼うことに決めました。
彼は餌を手に入れ、日々の世話をするために時間を割きました。彼は小鳥の成長を見守り、その愛情を深めました。
転(転換点に達し、新たな展開が始まる)
しかし、小鳥は回復せず、彼の努力にもかかわらず、その状態は悪化していきました。
拓也は嘆き悲しみ、彼が何をしても小鳥を救うことができないことに絶望しました。
結(結末の提示。結論が明らかになる)
最後に、拓也は小鳥の死を受け入れ、虚しく横たわった小鳥を優しく埋葬しました。
彼は小鳥を失った悲しみに包まれながらも、その優しさと思いやりが周囲に影響を与え、人々に勇気と希望を与えました。
動画の目的と対象者を決める ~誰に何を伝えたいか?~
なお、起承転結の文章を書くためにはまず、動画制作の目的や誰を対象にするかといったテーマとペルソナを決める必要があります。
「誰に何を伝えたいか」が決まれば、それを伝えるための最適なストーリーを考えることができます。このときに起承転結を使います。
台本の流れ
これまでに説明した内容をまとめると、台本の制作から使用までの流れは以下のようになります。
台本に余白を持たせる
台本をつくるときにとても重要なことがあります。それは、台本に余白を持たせるということです。
台本は撮影の流れの詳細を描くものですが、最初から完璧に仕上げる必要はありません。むしろ、よりよいものに仕上げるために、練習や打合せの中で変更することが頻繁にあります。
例えば、「このセリフはもっとこうした方がいいんじゃないか?」や「このカットはこっちから撮った方がいいんじゃないか?」といったものです。
このため、台本をガチガチにせず、作成する段階である程度の余白(変更の余地)を持たせておくことが重要です。
台本を元に練習する
出演者は台本をもとに練習を重ねていきます。
動画の全体の流れや目的、自分の役割を理解し、一つ一つのセリフを出演者としての自分に落とし込んでいきます。
そのためには繰り返し音読することが大切です。
どこで感情を込めるか、見ている人はどう感じるかなども意識しながら練習していく必要があります。
機材を用意する
本番は台本をそのまま手にもって読み上げるということができません。何度も練習して完全に暗記しているなら問題ありませんが、なかなか難しいものです。
特に、練習する時間が少ししか与えられていないニュースなどは原稿(台本)を見ながら喋るのが普通です。
そういったときは、台本をディスプレイやパソコンに映し出したり、「テレプロンプター」という専用の機器を使って台本を見える状態にすることができます。
撮影内容によって必要な機材をそろえておくことも重要です。
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