【完全解説 Stable Diffusion】無料のAI画像生成ソフト ステーブル ディフュージョンの新規インストール導入手順|PythonやGitのダウンロードから起動方法を解説(わかりやすい、初心者向け)

Stable diffusion stability ai |Photoone(フォトーン) stable diffusion

画像AIソフトの中でも1番自由度が高く、しかも無料で使うことができるソフトの1つに「Stable Diffusion」があります。

ここではStable Diffusionを自分のPC(ローカル環境)にインストールして使用する方法についてまとめています。


PCの要件

Stable Diffusionを使うためには高度な画像処理を行うため、ある程度のPCスペックが必要になります。

Stable Diffusionの公式ページなどを踏まえた推奨スペックは以下になります。

PCの推奨スペック
  • OS: Windows11(64bit)
  • GPU: Nvedia RTX3000以上(VRAM 8GB以上)
  • CPU: PassMark 30,000以上のCPU(例:13世代以降のCore i5, i7, i9など)
  • メモリ(RAM):16GB以上(DDR4以上)

もちろん上記は推奨です。スペックが多少劣っていても動きますし、より良いスペックであれば尚快適に使うことができます。




OS: Windows11(64bit)

Stable DiffusionはMac OSで使うことを想定していないため、導入するPCのOSはWindowsが推奨です。これはStable Diffusionの公式ページに記載があります。

注意点: Mac OSで起こりうる不具合

Currently most functionality in the web UI works correctly on macOS, with the most notable exceptions being CLIP interrogator and training. Although training does seem to work, it is incredibly slow and consumes an excessive amount of memory. CLIP interrogator can be used but it doesn’t work correctly with the GPU acceleration macOS uses so the default configuration will run it entirely via CPU (which is slow).

Most samplers are known to work with the only exception being the PLMS sampler when using the Stable Diffusion 2.0 model. Generated images with GPU acceleration on macOS should usually match or almost match generated images on CPU with the same settings and seed.


現在、Web UI のほとんどの機能は macOS 上で正しく動作しますが、最も注目すべき例外は CLIP インタロゲータとトレーニングです。トレーニングは機能しているように見えますが、信じられないほど遅く、大量のメモリを消費します。 CLIP インタロゲータは使用できますが、macOS が使用する GPU アクセラレーションでは正しく動作しないため、デフォルト設定では完全に CPU 経由で実行されます (これは遅いです)。

Stable Diffusion 2.0 モデルを使用する場合、PLMS サンプラーを除いて、ほとんどのサンプラーは動作することが知られています。 macOS で GPU アクセラレーションを使用して生成されたイメージは、通常、同じ設定とシードを使用して CPU で生成されたイメージと一致するか、ほぼ一致するはずです。

(参考)stable-diffusion-webui: Wiki Installation on Apple Silicon



GPU: Nvedia RTX3000以上(VRAM 8GB以上)

重い画像処理を行うため、PCはGPU(グラフィックボード)を積んでいることが基本です。最近では、インテルのCore i~シリーズやAMD Ryzenシリーズなどに比較的高性能なGPU機能を搭載したCPUが出てきました。

ですが、Stable Diffusionを使うのであればGPUはCPUとは別で搭載している方がベターです。

GPUといえば安定のNvedia RTXシリーズで比較的新しく性能の高いモデルを搭載しているPCがお勧めです。例えば、各GPUの性能は以下のようになっています。RTX3000シリーズ以上で、VRAMが8GB以上なら基本的に問題ありません。


(出典)ドスパラ グラフィックボードの性能比較


CPU: PassMark 30,000以上のCPU

CPUの性能に「Pass Mark(パスマーク)」という指標があります。このPass Markが30,000以上のCPUを選んでおけば基本的に問題ありません。

Pass Markを調べるには、「CPU名 Pass Mark」(CPU名には検討しているCPU名を入力してください)でネット検索すればスコアを確認することができます。

Core i7やCore i9だからいいというわけではないことに注意してください。昔のCore i7よりも、新しいCore i5の方が性能がよかったりします。

また、同じCore i9の13世代でも末尾についている記号で性能が異なるので、やはりパスマークを確認することが大切です。(※末尾HXはハイパフォーマンスCPUですが、電力消費も著しいです。自分の用途にあったCPUを探すことも大切です (例: Core i9-13980HX))

参考にCPU毎のPass Markの一例を下記に記載しておきます。

(参考)Pass Mark Software: CPU List (← かなり重いページ。要注意)


メモリ(RAM):16GB以上(DDR4以上)

推奨メモリ(RAM)は16GB以上です。ただし、16GBや32GBあれば何でもいいというわけではありません。

メモリ(RAM)も時代を追うごとに進化しており、昔の16GBのメモリと最新の16GBのメモリでは性能が大きく異なります。

基本的にはDDR4以上(DDR5など)のメモリで16GB以上であれば問題ありません。




自分のPCの性能を確認する方法 ①dixdiag

自分のPCのCPUやGPUは何だっけ?と気になった場合も簡単に調べることができます。

①「Windowsマーク + R」キーを押して、「ファイル名を指定して実行」を立ち上げます。

②次に「dxdiag」と入力し、OKをクリックします。


すると「DirectX 診断ツール」というのが表示されます。この中でOSやCPU、メモリを確認することができます。



GPUを搭載している場合は、上部タブの「ディスプレイ〇」を切り替えていくと、GPUの詳細が表示されます。PCにGPUを搭載していない場合は表示されません。



自分のPCの性能を確認する方法 ②タスクマネージャー

もしくは、「ctrl + shift + esc」でタスクマネージャーを開いて、パフォーマンスのメニューを選択すると、CPU、メモリ、GPUを確認することができます。






Pythonのインストール (3.10.X)

Stable Diffusion使うためには、Pythonをインストールする必要があります。


注意点:バージョンは3.10.x系

Pythonインストール時の注意点(バージョン)

Pythonをインストールするときはインストールするバージョンに注意が必要です。Stable Diffusionを問題なく使用するためには 3.10.x系を使用する必要があります

最新では3.12.x系も公開されていますが、Stable Diffusionの依存関係は確認されていないようです。

(出典)https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui/discussions/10235

(一部のアプリケーションは3.11.x系でもサポートされているようですが、他のものは依然として3.10.x系である必要があるそうです)


このため、3.10.6でも、3.10.10でも問題ありません。新しい方がバグ修正が適用されているのでおすすめです。


Pythonのインストール

Pythonの公式サイトにアクセスします。


ファーストビューに最新バージョンのダウンロードボタンがありますが、Stable Diffusionでは使用できないので、下にスクロールします。

Pythonのバージョンは3.10.x系でインストーラーを備えた最新のものをダウンロードボタンをクリックします。


注意点

Pythonの3.10.x系で、新しいものには3.10.14などもリリースされていますが、これはバグ修正のみで、バイナリインストーラーは含まれていません。バイナリインストーラーを含む最新バージョンは3.10.11になります。


下にスクロールするとダウンロードファイルリンクがあります。自分環境にあったものを選択します。Windowsであれば 「Windows installer (64-bit)」をクリックします。


ダウンロードが完了したらexeファイルをダブルクリックします。


インストーラーが起動したら、一番下の「Add python.exe to PATH」にチェックを入れます。環境パスは後から設定することもできますが、ここで設定しておくのがお勧めです。

チェックを入れたら「Install Now」をクリックします。


「このアプリが変更を加えることを許可しますか?」と表示されるので、「はい」をクリックします。


インストールが完了したら「Close」をクリックします。


以上でPythonのインストールは完了です。




Gitのインストール

続いて、Gitをインストールします。これもPythonと同様にStable Diffusionを動かすために必要なアプリケーションになります。

Stable Dissufionのコードはgithub上にオープンソースとして公開されています。これ(Githubのレポジトリ)をローカルにダウンロードしてくる必要があるのですが、そのために必要なのがGitです。

Gitの公式ダウンロードページにアクセスします。メニューの中の自分のOSをクリックします。


Pythonと違ってGitは最新版で問題ありません。「Click here to download」をクリックします。



ダウンロードが完了したら exeファイルをダブルクリックします。


「このアプリが変更を加えることを許可しますか?」と表示されるので、「はい」をクリックします。

Informationが表示されるので「Next」をクリックします。


この後もメニューが表示されますが、基本的には全部「Next」で問題ありません。

Git BashをWindows Terminalに加えたい場合や、Git BashのデフォルトのエディタをVimからVScodeに変更する場合など、必要に応じてお好みで設定してください。


インストールが完了したら「Finish」をクリックします。


以上でGitのインストールは完了です。



Stable Diffusion Web-UIのインストール

自分のPCでStable Diffusionを使うために、Stable Dissufionをブラウザ上で操作できる「Stable Diffusion Webui」をGithubからインストールします。

なお、Stable Diffusion WebuiはAUTOMATIC1111さんが開発し無料で公開してくれているものです。世の中には素晴らしい天才がたくさんいて本当にありがたいです。

ちなみにですが、AUTOMATIC1111の1111はイレブン イレブンと呼ぶらしいです。


ディレクトリの作成

gitコマンドを使うためにはターミナルを使います。ターミナルはWindowsに標準搭載されているWindows Terminalでもいいですし、先ほどGitをインストールしたときに「Git Bash」でもOKです。



ターミナルを開いたら、以下のコマンドを入力して「stable-diffusion」のディレクトリ(フォルダ)を作成し、作成したフォルダに移動します。

C:\>mkdir stable-diffusion

C:\>cd stable-diffusion

C:\stable-diffusion>


このコマンドはmkdirで現在のディレクトリ(Cドライブ直下)に「stable-diffusion」というフォルダを作成し、cdで作成したフォルダに移動しています。



pythonとgitのインストール確認

いよいよstable-diffusionのインストールですが、その前に先ほどダウンロードしたPythonとGitが正しくインストールされているか確認します。

python -Vと入力します。Vは大文字です。(–versionでも同じです)

C:\stable-diffusion>python -V
Python 3.10.11

バージョンが表示されれば正しくインストールされています。



続いて git -vと入力します。vは小文字です。(–versionでも同じです)

C:\stable-diffusion>git --version
git version 2.44.0.windows.1

バージョンが表示されれば正しくインストールされています。


stable diffusionのインストール(clone)

stable-diffusinをgithubからインストールするために、git clone レポジトリURLのコマンドを実行します。

git clone https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui


Enterキーをクリックするとレポジトリのクローンが開始します。これで、github上のコードをローカルの現在のフォルダにコピーします。

C:\stable-diffusion>git --version
git version 2.44.0.windows.1

C:\stable-diffusion>git clone https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui.git
Cloning into 'stable-diffusion-webui'...
remote: Enumerating objects: 33128, done.
remote: Counting objects: 100% (252/252), done.
remote: Compressing objects: 100% (163/163), done.
remote: Total 33128 (delta 147), reused 166 (delta 89), pack-reused 32876
Receiving objects: 100% (33128/33128), 34.62 MiB | 7.45 MiB/s, done.
Resolving deltas: 100% (23182/23182), done.


インストール後のディレクトリ

ディレクトリを確認すると、Cドライブ直下のstable-diffusionというフォルダの中に「stable-diffusion-webui」というフォルダが生成されています。

これがgithubからクローンしたレポジトリです。


中身を確認すると様々なフォルダやファイルがインストールされています。




補足

なお、上記のURL(https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui)はgithub上のstable-diffusion-webuiのCodeをクリックしたときに表示されます。



stable diffusion webuiの起動

stable diffusionのインストールが完了したので早速起動します。起動のためのファイルはstabule-diffusion-webuiフォルダの中にあるので、ディレクトリを移動し、起動コマンドwebui-user.batを実行します。

C:\stable-diffusion>cd stable-diffusion-webui

C:\stable-diffusion\stable-diffusion-webui>webui-user.bat


なお、初回起動時はセットアップに約10分ほどかかる場合があります。余裕をもって待ちましょう。

起動が終わると自動でStable Diffusionがブラウザ上に立ち上がります。

なお、起動したときのアドレス(URL)は http://127.0.0.1:7860/ です。



ファイルから起動する方法

Stable Diffusion Webuiは上記のようにコマンドラインから起動することもできます。

しかし、その場合はstable diffusion webuiのディレクトリに移動(あるいはディレクトリを指定)してからwebui-user.batを実行しなければなりません。

毎回これを実行するのはちょっと面倒です。

そんな時は、「stable-diffusion > stable-diffusion-webui」フォルダの中にある「webui-user.bat」ファイルのショートカットをデスクトップに配置しておきます。

このファイルをダブルクリックすることでStable Diffusion Webuiを起動することができます



対象のファイルを選択し、右クリックして「その他のオプションを確認」をクリックします。

送る」という項目の中に「デスクトップ(ショートカットを作成)」があるので、これをクリックします。


デスクトップにこのファイルのショートカットが作成されるので、今後はこのファイルをダブルクリックすれだけでStable Diffusionを起動することができます。





起動コマンドwebui-user.batのwebui.batどちらを使うべきか?

Stable Diffusion Uiを起動するためのコマンドにはwebui-user.batwebui.batの2種類があります。

サイトによってはどちらも使われていたりで、どっちを使えばいいのかわからない?という場合もあります。

そんなときはwebui-user.batを使ってください。

なぜ?と疑問に持たれた方は下記記事をご参考ください。

(参考)【Stable Diffusion】起動コマンド webui-user.batのwebui.bat違い。どっちを使うべきか?|おすすめの主な引数や起動時に使えるオプション一覧・引数一覧



日本語化する

Stable Diffusion UIはデフォルトでは英語です。ですが、これを日本語にすることができます。しかもやり方は設定は簡単です。

下記記事を参考にしてみてください。



モデル(チェックポイント)をインストールする

Stable Diffusionのデフォルトのモデル(チェックポイント)でも画像を生成できないことはありません。

しかし、SNSなどでよく見かける「これはすごい!」という綺麗な画像を作るのは難しい部分があります。

このため、まずはモデル(チェックポイント)を自分のStable Diffusionにインストールする必要があります。

モデルやチェックポイントとは何か?モデルのインストール方法については下記をご参考ください。



プロンプトの書き方

画像を生成するためにはプロンプト(いわゆる呪文)を記述する必要があります。Stable Diffusionのプロンプトには書き方のルールがあります。

自分が意図したより良い画像を生成するためにも、プロンプトの記述方法のルールを知っておくと便利です。



その他にもLoRAやVAE、Embeddingなど知っておくべきことがいくつかあります。詳細は下記リンクをご参照ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました