ドローンによる事故や墜落実例まとめ|原因を知って安全に飛ばそう

ドローンとプロポのアップ写真 Drone

ドローンは安く買えるようになってきたとはいえ、それなりの値段がするものです。

それに、ドローンで事故ったり墜落すれば、ドローンの修理費がかかるだけでなく、状況によっては損害賠償責任なども発生します。誰だってせっかく買った大切なドローンを壊したくはないものです。

そういったドローンの事故を防ぐためには、どういった状況で事故や墜落が発生するのかを知っておくことが対策の一つになります。

ここでは、ドローンの主な事故や墜落原因をまとめています。


枝との接触

最近のドローンは全方位センサーが取り入れられた機種も多く出てきており、衝突による安全性は高まっています。

しかし、枝などの細かいものにはセンサーが十分に反応しきれないことがほとんどです。そういった中で、特にモニターなどを見ながら目視外飛行をしているときに木の枝と接触して落下するといった事故が多発しています。

ちなみに枝との接触事故は初心者だけでなく、操縦時間の長い慣れた人でも発生しやすい事故の一つです。


電線との接触

電線も細いためセンサーでは感知することができないことがほとんどです。急な上昇により電線とドローンが接触する事故も多発しています。電線とドローンが接触すると、電線が切断することがあるため注意が必要です。

  • 農薬散布のため無人航空機を飛行させていたところ、支線に接触及び切断し、墜落した。
  • 空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、電線に接触し切断させた。


樹木や構造物との接触

空撮などモニターを見ながら操作しているときに、ノーズインサークルのようにカメラを飛行方向とは異なる方向に向けてドローンを操縦することがあります。

カメラのフォーカスや映像に集中しながら横移動や後方移動していたら、障害物にぶつかったということも少なくありません。カメラを進行方向以外に向ける場合は周囲に衝突するようなものがないか入念な確認が必要です。

  • レンズを被写体に向け続けたまま弧を描くカメラワークに意識を集中しすぎるあまり、モニターに写し出されていない進行方向への注意がおろそかになっり、り樹木に接触後に墜落し、紛失した。
  • 飛行訓練のため無人航空機を飛行させていたところ、モニターを注視したことにより付近の樹木に接触後、機体を紛失させた。
  • 海水浴場において空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、目視外になった際に崖に衝突し、海に水没後に紛失した。障害物センサーが付いているがスポーツモードでは自動的に解除される仕組みになっていたことが原因の一つ。


予期しないRTH

飛行中にバッテリーが切れれば当然ドローンは墜落します。これを防ぐために多くのドローンはバッテリー残量が何%になったら自動帰還するといったRTH(リターン・トゥー・ホーム)を設定することができます。

バッテリー関連の事故で多いのが、バッテリー残量がRTHを設定した%に到達し、RTHが自動で働いたときに自分ではコントロールできなくなるために発生する衝突事故があります。

  • 送電線下の樹木の調査のため無人航空機を飛行させていたところ、機体を帰還させようとした際、途中でバッテリー低下によるRTHが動作したことで機体操作が不能となり自社配電線に接触し、墜落した。墜落時に操縦者に接触し、右手指に軽傷を負った。
  • 空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、電線に接触し切断させた。帰還する際に向かい風であったことからバッテリーの消費が大きくなった。このことから、着陸場所付近でバッテリー残量が10%となり強制着陸モードが発動した。安全に着陸させようとし手動着陸に切り替えたが、操作を誤り電話の引き込み線に接触させた。


バッテリー外れ

バッテリーが正しく装着されておらず、飛行中に外れて墜落・紛失するといった事例もあります。多くの場合ドローン本機を紛失してしまっているので原因の特定は困難ですが、バッテリーが外れたことによる墜落の可能性があると思われる事故報告になっています。

  • フライトデータについて確認したところ、航行中に突然電圧がゼロになっていたことから、当日の気温を勘案すると、航行中にリポバッテリーが膨らみバッテリー装着部から外れた可能性がある。
  • 空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、電波が途切れ海上に墜落し、紛失した。RTHの機能も作動しなかったことから、以下について可能性として考えられる。機体の事前チェック不足によりプロペラが外れる、バッテリーの取付が適切ではなく電源喪失など。



電波障害

ドローンはGPSや送信機(プロポ)など様々な機器と通信を行っています。通信強度が弱いと突如通信が切れて紛失することもあります。そういった事故報告も多くされています。

特に、他のドローンが通信している場所や無線局がある場所、高圧電線があると電波が混在してしまう可能性があります。

また、ビルなどの大きな構造物があると電波が遮蔽されて一時的に弱くなり通信が途切れることもあるため注意が必要です。

  • 空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、機体との通信が途絶え墜落し、紛失した。機体には障害物検知もついているほか、RTH機能も備わっているため、如何なる状況であっても自動帰還してくれるものと誤認していた。事故後製造元メーカーに確認したところ、GPS信号が微弱な状態で障害物を検知した場合、回避飛行が行えずその場で停滞してしまうことがあるとのことで、この現象に対する理解が不足していた。
  • 空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、電波切れにより操作不能となり海上に墜落し、機体を紛失した。
  • 空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、プロポと機体間の電波ロストにより操縦不能となり墜落し、紛失した。高圧電線付近を飛行したことによる、電波障害が考えられる。
  • 農薬散布のため無人航空機を飛行させていたところ、第三者の車両に接触し墜落した。また機体を回収する際にプロペラが回転している状態であったことから操縦者が手を負傷した。事故現場の近くは、高圧鉄塔、高圧線から近く、この影響下で途中GPSが途切れた可能性もあるが、事前に試運転等行い、想定することが必要であった。
  • 外壁調査のため無人航空機を飛行させていたところ、制御不能となり壁面に接触し、墜落した。電波の混信により制御不能となった可能性がある。


強風による操縦不能・操作ミス

ドローンは年々高性能になってきたとはいえ、その性質上風には弱いです。急な突風などにあおられたときに操作ミスして墜落したといった事故が報告されています。

地上で吹いている風と上空で吹いている風は違うため、注意が必要です。一般的に上空の方が風速は早いです。

  • 空撮のため無人航空機を飛行させた後、着陸しようとしたところ、機体が風に煽られ付近にいた機体監視者と接触し、手を負傷した。
  • 空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、風の影響を受け姿勢を崩し墜落後、機体を紛失した。機体のログ解析の結果、耐風性能を超える風速であったことから、機体が流され姿勢を崩して墜落した。離陸地点の風速は風を感じない程度であったため上空での強風を予想できなかったこと、また、機体は風速の検知結果を操縦者に知らせる手段を持っていなかったことから、想定外の風速に対応できなかった。
  • 空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、突風により機体が煽られた後、電波ロストが発生し墜落。機体を紛失した。上空の風が強かったため機体が流された。帰還させようとしたが向かい風だったこともあり、操作不能となり、流された先で通信不能となった。
  • 空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、突風により機体のコントロールを失い墜落し、紛失した。ダム堤防からの突風による。
  • 滝付近にて空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、風にあおられ付近の樹木に衝突した。その後操縦不能となり墜落し、紛失した。


人身事故

ドローンはそれなりに重量もあり、プロペラに至っては高速で回転しています。電線すらも切ってしまうほどの破壊力があります。人と接触すればそれなりに負傷することになるため注意が必要です。

特に、プロペラは少しでも動いている場合は触ってはいけません。

  • 空撮のため無人航空機を飛行させた後、着陸しようとしたところ、機体が風に煽られ付近にいた機体監視者と接触し、手を負傷した。操縦者の意思と異なる動きが生じた時に、適切な操作ができなかった。危険箇所の確認不足であった。操縦者と機体監視者の事前打合せが不十分であったことから、不用意に機体に接近した。
  • 農薬散布のため無人航空機を飛行させていたところ、第三者の車両に接触し墜落した。また機体を回収する際にプロペラが回転している状態であったことから操縦者が手を負傷した。
  • 空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、着陸時に補助者に接触し、負傷した。プロペラガードの保護機能について過大評価をし、プロペラの殺傷能力について過少評価を行っていた。


鳥との接触

めったにあることではありませんが、ドローンが鳥と接触する事故もあります。

  • 河川にかかる橋梁の現況調査のため無人航空機を飛行させていたところ、鳥に接触したことにより河川に墜落し、機体を紛失した。


ドローンの保険

ドローンを操縦するときに思わぬ事故や墜落があることがあります。民家の屋根に墜落した、車と衝突した、人とぶつかったなど、考えられることは様々です。

もしものときのためにドローンの保険に加入しておくことがおすすめです。

賠償責任保険

ドローンの保険は大きく2つあります。「賠償責任保険」と「機体保険」です。

「賠償責任保険」はものを壊してしまったり、誰かに怪我を負わせてしまったときなどに使える保険です。

例えば、三井住友海上が運営しているDJI公認のドローン保険であれば、対人対物1億円までの保証で、年間7,300円ほどで加入できます。

参考: 三井住友海上 DJI賠償責任保険


機体保険

ドローン本体の損傷や紛失をカバーしてくれるのが「機体保険」です。

機体保険はドローン本体の破損、火災、水没、また紛失時の回収、盗難された場合に使うことができます。

例えば、三井住友海上が運営しているDJI公認のドローン保険であれば、保険金額10.6万円の保証で、年間8,480円ほどで加入できます。

参考: 三井住友海上 DJI賠償責任保険



参考資料

国土交通省 無人航空機に係る事故トラブル等の一覧

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